日本学術振興会

制度概要

1.趣旨

 外国人研究者招へい事業は、諸外国の優秀な研究者を招へいし、我が国の研究者との共同研究、討議、意見交換等を行う機会を提供することにより、外国人研究者の研究の進展を支援すると同時に、外国人研究者との研究協力関係を通じて、我が国の学術研究の推進及び国際化の進展を図ることを目的とした事業です。

 外国人研究者招へい事業(外国人招へい研究者)は、長期、短期、短期Sの3つのプログラムがあり、外国人研究者の招へいを希望する日本側受入研究者の所属する各大学等研究機関長の申請を受け、選考により採用者を決定します。長期は年1回、短期及び短期Sは年2回の募集・選考を行っています。

2.対象分野

人文学・社会科学及び自然科学の全分野

3.沿革

 日本学術振興会は、国際的な研究上の連携協力の必要性を重視し、昭和35年(1960年)より「外国人流動研究員事業」を開始しました。当時の日本において、外国人研究者を招へいする事業は他にないものでした。さらに、昭和39年(1964年)より開始された、若手外国人研究者を招へい対象とする「外国人奨励研究員事業」を統合し、昭和50年(1975年)より「外国人招へい研究者事業」となりました。その中で、「短期招へい」及び「長期招へい」の2つのプログラムが実施されてきました。

 また、平成12年より開始された顕著な研究業績を有する外国人研究者を招へいする「外国人著名研究者招へい事業」を、平成25年度の「日本学術振興会の学術国際活動に関する基本的な戦略(JSPS国際戦略)」を受け、「外国人招へい研究者事業」に統合し、「外国人招へい研究者事業(短期S)」として実施しています。

 さらに、平成27年度からは、「外国人特別研究員事業」及び「外国人招へい研究者事業」を統合し、外国人研究者を招へいする事業を、招へいする研究者のキャリアステージや招へいしたい期間によって選択できるようメニュー化した「外国人研究者招へい事業」として実施しています。

 なお、事業の見直しにより、平成31年度募集をもって短期Sの募集は終了しました。

スケジュール

外国人招へい研究者 _スケジュール

各プログラムの詳細

長期

 中堅から教授級の優秀な諸外国の研究者を比較的長期間招へいし、我が国の研究者と共同研究を行う機会を提供するプログラムです。

1.採用期間
2か月以上10か月以内
 
2.申請者(受入研究者)の申請資格
申請時、採用時及び採用期間において、下記(1)及び(2)を満たす者。
(1)科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号)第2条に規定される研究機関(※)に所属し、科学研究費助成事業の応募資格を持ち、外国人研究者の受入を希望する者。
(2)常勤の研究者であること。
ただし、常勤でない研究者であっても、常勤の研究者と同様に、採用期間中継続して、研究環境(研究室・設備・人員)の整備等を含め、本事業を責任を持って遂行できると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
(※)科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号)第2条に規定される研究機関
①大学及び大学共同利用機関
②文部科学省の施設等機関のうち学術研究を行うもの
③高等専門学校
④文部科学大臣が指定する機関
 
3.候補者(招へいする外国人研究者)の要件
令和6年4月1日の時点及び採用期間において、下記(1)及び(2)を満たす者。
(1)我が国と国交がある国の国籍又は永住権を有する者(台湾及びパレスチナの研究者については、これに準じて取り扱う。)。
ただし、日本国籍を有する者であっても、外国におおむね10年以上在住し、当該国の学界で活躍していると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
(2) 外国の大学又は研究機関に所属する常勤又は常勤として位置づけられている研究者で、我が国の大学の教授、准教授又は助教に相当している者(名誉教授等を含む。)。
ただし、前記の研究職歴を有しない者でも、博士の学位取得後6年以上で、外国の大学又は研究機関に於いて研究を継続していると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
 
4.支給経費
(1) 渡航費 往復国際航空券(現物支給)(本会の規定による。エコノミークラス。)
(2) 滞在費 月額387,600円
(3) 海外旅行保険
(4) 調査研究費 上限150,000円(申請者(受入研究者)が受入研究機関を通じて申請。)

短期

 中堅から教授級の優秀な諸外国の研究者を短期間招へいし、我が国の研究者との討議・意見交換や講演等を通じて関係分野の研究の発展に寄与することを目的としたプログラムです。

1.採用期間
14日以上60日以内
 
2.申請者(受入研究者)の申請資格
申請時、採用時及び採用期間において、下記(1)及び(2)を満たす者。
(1)科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号)第2条に規定される研究機関(※)に所属し、科学研究費助成事業の応募資格を持ち、外国人研究者の受入を希望する者。
(2)常勤の研究者であること。
ただし、常勤でない研究者であっても、常勤の研究者と同様に、採用期間中継続して、研究環境(研究室・設備・人員)の整備等を含め、本事業を責任を持って遂行できると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
(※)科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号)第2条に規定される研究機関
①大学及び大学共同利用機関
②文部科学省の施設等機関のうち学術研究を行うもの
③高等専門学校
④文部科学大臣が指定する機関
 
3.候補者(招へいする外国人研究者)の要件
令和6年4月1日の時点及び採用期間において、下記(1)及び(2)を満たす者。
(1) 我が国と国交がある国の国籍又は永住権を有する者(台湾及びパレスチナの研究者については、これに準じて取り扱う。)。
ただし、日本国籍を有する者であっても、外国におおむね10年以上在住し、当該国の学界で活躍していると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
(2) 外国の大学又は研究機関に所属する常勤又は常勤として位置づけられている研究者で、我が国の大学の教授、准教授又は助教に相当している者(名誉教授等を含む。)。
ただし、前記の研究職歴を有しない者でも、博士の学位取得後6年以上で、外国の大学又は研究機関に於いて研究を継続していると受入研究機関において判断する場合には、申請可能とする。
 
4.支給経費
(1) 渡航費 往復国際航空券(現物支給)(本会の規定による。エコノミークラス。)
(2) 滞在費 日額18,000円
(3) 海外旅行保険
(4) 調査研究費 上限150,000円(申請者(受入研究者)が受入研究機関を通じて申請。)

短期S(平成31年度をもって募集を終了しました)

 ノーベル賞級の特段に優れた業績及び受賞歴をもち、当該分野で現在も指導的立場にある諸外国の研究者を我が国に招へいし、受入機関全体の研究活動への助言・協力及び関連するその他の学術研究機関においての講演会等を行う機会を提供するプログラムです。

(1)採用期間
7日以上30日以内
 
(2)申請者(受入研究者)の申請資格
 申請時において、科学研究費補助金取扱規程(文部省告示)第2条に規定される研究機関(※)に所属し、原則として常勤の研究者であって、外国人研究者の受入を希望する者。
ただし、常勤でない研究者(科学研究費助成事業の応募資格は必要)であっても、上記の常勤研究者と同様に、招へい期間中継続して、研究環境(研究室・設備・人員)の整備等を含め、本事業を責任を持って遂行できると所属機関において判断する場合には、申請可能とします。
(※)科学研究費補助金取扱規程(文部省告示)第2条に規定される研究機関
①大学及び大学共同利用機関
②文部科学省の施設等機関のうち学術研究を行うもの
③高等専門学校
④文部科学大臣が指定する機関
 
(3)候補者(招へいする外国人研究者)の要件
  • 我が国と国交がある国の国籍又は永住権を有する者(台湾及びパレスチナの研究者については、これに準じて取り扱う。)。ただし、日本国籍を有する者であっても、外国におおむね10年以上在住し、当該国の学会で活躍している者を含む。
  • ノーベル賞級の国際的な賞の受賞者など、特段に優れた研究業績を有し、当該分野で現在も指導的立場にある者。
(4)支給経費(予定)
  • 渡航費 国際航空券で支給(本会の規定による。ビジネスクラス。)
  • 滞在費 日額42,000円
  • その他 海外旅行保険
[注]上記のほか、申請者(受入研究者)は所属機関を通じて調査研究費(上限150,000円)を申請できます。