日本学術振興会

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グローバルリサーチカウンシル(GRC:Global Research Council)





内閣総理大臣 安倍晋三です。

御列席の皆様。ようこそ日本へ。心より歓迎いたします。

本会議の主催者である、日本学術振興会の安西理事長、また、共催者である南アフリカ国立研究財団のビバリー・ダモンスさんを始め、皆様が各国の学術振興機関のトップとして、力を尽くされていることに、心から敬意を表します。
   世界各国の機関が、共通の課題について対話し、認識を共有することは、科学の発展にとって大きな意義があると思います。

私は、総理就任以来、イノベーションを成長戦略の中核に据えてきました。これは、日本の経済成長のために不可欠だからというだけではありません。イノベーションは、世界各地で、社会を変え、様々な困難を克服し、人々に幸せをもたらす、大きな力を持っているからです。

イノベーションを生み出すもの。それは、研究者の自由な発想に基づく、独創的で多様な研究です。基礎段階の研究をしっかり支援し、未来へ投資していくことが重要です。
   一方、科学は、急速に進展し、ボーダーレス化しています。研究への支援も、変化していかなければなりません。
   第一に、内向き志向を改め、研究と人材のグローバル化を進めること。
   第二に、縦割り主義を改め、研究分野の融合を進めること。
   第三に、基礎研究の成果を実社会の発展に役立てること。
これら三つの改革が必要です。
   まず隗より始めよ。日本の研究費支援について、この視点から改革を強力に進めます。

日本発のイノベーションとして皆さんが真っ先に思い浮かべるのは、昨年、ノーベル物理学賞を受賞した青色LEDではないでしょうか。
   青色LEDは、明かりの世界に劇的な省エネをもたらしました。アフリカの電化されていない地域でも、子供たちが夜も勉強し、「未来」を手に入れられるようになります。日本発のイノベーションが、アフリカを照らす光を生んだのです。
   一昨年、50か国を超えるアフリカの首脳らを、横浜にお迎えしました。昨年は、私自身、アフリカの地を訪問しました。あらゆる面で躍動感にあふれ、大きな可能性を秘めているアフリカを実感しました。科学の世界でも、これからアフリカが飛躍的に発展していくことは間違いありません。
   今後、我が国とアフリカとの科学の絆を深め、研究者の交流や、共同研究を一層加速したいと思います。
   アフリカの学術振興機関の能力開発とネットワークづくりを支援します。感染症研究について、アフリカ睡眠病やデング熱など「顧みられない熱帯病」に焦点を当てた新たな国際共同研究をスタートさせます。予防、診断、創薬、治療法の確立を目指すとともに、アフリカの優秀な若手研究者を育成します。

もちろん、私のイノベーション政策のグローバル化は、アフリカにとどまりません。
   グローバルな連携のもとで、基礎研究と、その実社会への応用をシームレスに行い、あらゆる分野で、次から次へとイノベーションを起こし続ける。そのため、日本は、先頭に立って、研究への支援と改革を進めます。

結びに、これから2日間、実りある議論が行われることをお祈りし、開会に当たっての私のメッセージといたします。