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スペリングス連邦教育省長官が高等教育改善を目的としたアクション・プランを発表


○ スペリングス連邦教育省長官は、自らが選任した「Commission on the Future of Higher Education(高等教育の将来に関する委員会)」が約1年の議論を経て9月19日に公表した報告書「A Test of Leadership ? Charting the Future of U.S. Higher Education(リーダーシップの試練 −米国高等教育の将来像)」を踏まえ、高等教育改善に関するアクション・プランを発表した。


○ 委員会は、Charles Miller氏(元テキサス大学システム理事会議長)を委員長として、教育や人材管理、イノベーション等に通じた大学や民間企業の幹部等から構成され、高等教育修了者が将来の人材ニーズを満たし、変化する経済に有効に参画することを担保するための、高等教育システムの改善の在り方について検討を続け、前記報告書を公表した。


○ 同報告書においては、知的資本が益々重要視される今日において、高等教育はかつてになく重要になっており、国家の将来的な経済成長は高等教育の卓越・革新・指導的地位を持続することにかかっているとの認識のもと、主に以下の提言を行っている。

<アクセス>

  • 高等教育機関、初等中等教育機関、州政府の協働により、高校・大学間に学習上間断のない円滑な連絡を作りだすことにより、大学への入学・卒業を大きく拡大すべき。
  • 州の高校卒業基準は、大学や企業が考える基準と密接な関係を有さねばならず、また州政府は、大学に対しインセンティブを与え、初等中等教育機関と積極的に連携してマイナリティに属する生徒の大学入学等を促すべき。

<コストと経済的余裕>

  • 高等教育機関にアクセスする側の経済的余裕を改善するため、大学におけるコスト削減、生産性改善の推進が重要。このため大学は、生産性と効率性を測定し改善する新たな事業実施基準の開発を通じて、コスト管理を改善すべき。
  • 生徒一人当たりの教育コスト改善のために、生徒の編入学に関する障壁を改善すべき。
  • 連邦・州政府側においては、コスト削減に資する技術の普及、高校を活用した大学授業の実施促進、大学に対する規制緩和に努めるべき。

<財政援助>

  • 現在の財政援助(奨学金)に係る事業・規則等を、学生ニーズや国家的優先事項とより調和したシステムに改変すべき。この取り組みでは、低所得者に配慮した財政援助の増額と連邦政府による財政援助システムの完全な再構築が必要。特に、事業の統合、事業実施過程の合理化、及びFAFSA(Free Application for Federal Student Aid;連邦教育省が運営する連邦政府奨学金申請システム)の簡便かつ迅速な処理を伴う申請システムへの改変が必要。

<学習>

  • 教育の質の改善や革新には、以下に述べるアカウンタビリティの重視等一連の取り組みが必要。
  • 学生の学習を改善するために、大学は、新たな教授法・カリキュラム・技術を取り入れるべき。

<透明性とアカウンタビリティ>

  • アカウンタビリティの改善は、今回の提言の全ての成功の鍵。
  • 大学は、コスト、授業料、学生の卒業状況等について一層透明性を高め、学生やその家族との間で当該情報の共有を図るべき。
  • 大学の成功と密接に関連している学生の成績ついては、、学生の当初の学習基準線を考慮に入れ、大学により付加価値の考え方を基本に測定されるべき。そしてこれらの情報は、学生が利用できるようにした上で、集約した情報として公表され、大学を選ぶ学生・家族や行政に、異なる大学間の相対的な効率性を判断する方法として提供されるべき。

<革新>

  • 米国の大学は、継続的な革新と質の改善の土壌を大事にする必要あり。
  • 特に理数科分野における学生の学習を改善するため、大学は新たな教授・カリキュラム・技術を開発すべき。
  • 国家・国民を知識革命の最前線に留めるため、生涯学習に関する国家戦略を策定すべき。

○ 報告書を踏まえ、スペリングス連邦教育省長官は、高等教育改善に関するアクション・プラン(「Action Plan for Higher Education: Improving Accessibility, Affordability and Accountability」)を9月26日に発表した。特記すべき点は以下のとおりである。

【アクセス】

  • 議会との連携を通じた「No Child Left Behind Act(落ちこぼれを作らないための初等中等教育法)」(州内統一学力テストの実施と結果の公表による教育のアカウンタビリティ向上を主な内容とした法律)の原理の高校への拡大
  • 国家の競争力と個人の機会に対する障壁としての成人の読み書き能力向上への対応

【経済的余裕】

  • 州との連携を通じた所得・課税情報の活用による、学生の連邦政府奨学金申請手続きの簡略化(申請手続き期間の半減化)
  • 高校3年の春学期までの連邦政府奨学金受給資格の通知
  • 議会との連携を通じた低所得者に配慮した財政援助(連邦政府奨学金)のための新たな予算措置
  • 連邦政府奨学金システムに関する独立コンサルタントによる審査の実施
  • FIPSE(Fund for the Improvement of Postsecondary Education;連邦教育省が運営する高等教育改革プロジェクトの支援基金)の再活性化による高等教育の改革・生産性向上の促進

【アカウンタビリティ】

  • 州との連携を通じた既存の高等教育に関する情報システムの活用・リンクの推進
  • 州・大学が学生の学習結果データを収集し報告するためのインセンティブ(資金)の模索
  • アクレディテーション団体を召集(11月)しての、結果を重視した大学評価基準への変更の奨励
  • 利用者のニーズに基づいた大学間比較を可能にするための、連邦教育省が運営する大学検索ホームページの再構築

○ またスペリングス長官は、アクション・プランで触れていない点を含めた報告書の広範な提言に関して議論し、改革の進捗状況、今後のフォローアップ等を検討するハイレベルな会議を来春に開催する旨約束した。

 今後の米国における高等教育改革の動向が注目される。


参考:
米国連邦教育省関連事項ホームページ
http://www.ed.gov/news/pressreleases/2006/09/09262006.html(外部サイト,'../../../j-gs/img/coes_top_mo.gif','../../../j-gs/img/pd_jspshome_mo.gif','img/navi_top_b.gif','img/navi_gaiyou_b.gif','img/navi_koubo_b.gif','img/navi_iin_b.gif','img/navi_sinsa_b.gif','img/navi_saitaku_b.gif','img/navi_mext_b.gif','img/navi_jsps_b.gif','img/navi_english_b.gif','img/btn_pagetop_b.gif','com/head_link_on.gif','com/head_sitemap_on.gif','com/head_english_on.gif')


(平成18年10月6日 JSPSワシントン研究連絡センター)