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米国科学財団(NSF)が2006年度から2011年度までの戦略計画「Investing in America's Future」を発表


 2006年10月2日、米国科学財団(NSF)は今後5年間のNSFの重点施策を示した戦略計画「Investing in America’s Future」を発表した。この計画は、NSFが公的資金を有効に活用するため、また、大統領が発表した「米国の競争力イニシアティブ」の中でNSFが中心的な役割を果たすために、全米の大学関係者や米国科学審議会、NSFの職員等の意見を聴取して作成されたものであり、この計画は2008年度の概算要求にも反映させるとのことである。


 本計画の中核は、新たに設定した4つの戦略目標である。今後5年間のNSFの展望として、「現在の知見の領域を超える発見や発明、及び教育を推進し、もって科学技術の次世代への活力とする」ことが掲げられているが、その展望を導く戦略目標として、次の4つのことが挙げられている。

  • Discovery(発見)
     将来の利益につながる分野に重点をおき、また科学技術において米国を世界のリーダーたらしめることに焦点を置いて、新しい知見を切り開く研究を促進すること。
  • Learning(教育)
     あらゆる分野における世界レベルの研究者を養成すること。及び、一般国民に対して科学的知識を頒布すること。
  • Research Infrastructure(研究基盤整備)
     先端的な研究設備、施設、情報通信基盤、実験装置に対して充分な資金を投入し、米国の研究能力を構築すること。
  • Stewardship(管理)
     能力と責任のある組織を通じて、卓越した科学技術及び教育をサポートすること。

 本計画の発表の際に、NSFのキャシー・オルセン副長官は、「これら4つの目標はどれも重要であるが、とりわけ、「Stewardship」は他の3つの支柱となるべきものである」とコメントしており、今回の計画で「Stewardship(管理)」を戦略目標の1つとして挙げたことを強調している。本計画では、資金投入のプライオリティを戦略目標ごとに設定しているが、その項目数は、「Discovery(発見)」は、5項目、「Learning(教育)」は6項目、「Research Infrastructure(研究基盤整備)」は、4項目であるのに対し、「Stewardship(管理)」については12項目である。このことからも、今回の計画においてNSFが如何に「Stewardship(管理)」を重視しているかが伺える。


 戦略目標ごとのプライオリティは以下のとおりである。


  1. Discovery(発見)に係るプライオリティ
    • 学際領域や革新的な成果に結びつく領域の研究
    • 新しい知識や技術に関する、倫理問題や安全対策等といった社会学的な側面の研究
    • 米国の経済競争力の促進に資する研究
    • 地球環境に配慮した、持続可能な生活向上のための研究
    • 次世代の情報基盤やネットワークを促進するコンピューター科学の基礎研究及びその応用
  2. Learning(教育)
    • 初等・中等教育における理数教育の質を向上させるための基盤の強化及び新しい方法論等の開発に資するもの
    • 理数分野だけでなく、文系分野も含めた広範囲にわたる基礎知識を推進するもの
    • 理数分野の学習が将来のキャリアパスとして有効に働くことを明らかにする方法論の開発
    • 多様かつ世界に通用する理数分野の労働力の養成
    • 研究と教育の融合、及びその基盤の構築
    • 学校以外におけるインフォーマルな教育を通じて科学技術と一般国民とを結びつけることに資するもの
  3. Research Infrastructure(研究基盤整備)
    • 中規模の実験設備に対するNSFの支援を増加させること
    • 次世代の大規模研究施設を特定し、支援すること
    • 科学技術の全分野において発見を促進する包括的、統一的な情報基盤整備を進めること
    • それぞれの機関がもつネットワークや革新的な協力関係を進展させることにより、協力により得られるメリットを強化すること
  4. Stewardship(管理)
    • 既存の協力関係を強化し、他の機関との間に共通の目標を定め新しい協力関係を発展させること
    • NSFの全ての活動について、マイノリティー等、社会から十分に評価をされていない階層や多様な機関を広く積極的に関与させるよう、一層の努力をすること。
    • 優秀な審査委員を確保できるよう、そのプロセスを改善すること
    • 多様化した科学界に対応できる優秀なプログラムオフィサーを採用し、そのプログラムオフィサーに大きな権限を与えること
    • プログラムオフィサーに対する指導及び研修を改善するための制度を開発すること
    • NSF職員の人事管理を強化するために作成された「NSF人的資源管理計画」を実施すること
    • 所属する職員に対する教育を行う教育機関としてNSFの機能を強化すること
    • 社会から信頼される機関の好例としての立場を維持していくこと
    • ピアレビューシステムの透明性、一貫性、公平性を一層強化すること
    • NSFのグラントの採択課題のバランスと柔軟性(ハイリスク研究も含め)への配慮を促進すること
    • 大規模研究施設の管理・監督方法を強化すること
    • 情報通信技術を利用し、NSFの活動の成果を一般社会にむけて広報すること

 なお、本計画おいては、NSFが本計画に沿ってアピールすべき事業が欄外に掲載されているが、その中で「Materials World Network」事業と「East Asia and Pacific Summer Institutes」事業が掲載されている。この2つの事業は、ともに本会がNSFとの協力で行っている事業であり、特筆に価する。


参考URL:http://www.nsf.gov/pubs/2006/nsf0648/nsf0648.jsp(外部サイト,'../../../j-gs/img/coes_top_mo.gif','../../../j-gs/img/pd_jspshome_mo.gif','img/navi_top_b.gif','img/navi_gaiyou_b.gif','img/navi_koubo_b.gif','img/navi_iin_b.gif','img/navi_sinsa_b.gif','img/navi_saitaku_b.gif','img/navi_mext_b.gif','img/navi_jsps_b.gif','img/navi_english_b.gif','img/btn_pagetop_b.gif','com/head_link_on.gif','com/head_sitemap_on.gif','com/head_english_on.gif')


(平成18年10月5日 JSPSワシントン研究連絡センター)