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米大統領府の科学技術計画局(OSTP)と行政管理予算局(OMB)が、米国各省庁に対して、2008年度政府研究開発予算の優先事項を提出


6月23日に、2008年度の予算教書の作成にあたって、米国大統領府の科学技術局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)とOMBが米国各省庁に提出した「2008年度政府研究開発予算の重点事項」が発表されました。各省庁は、この文書に記された方針に従って、2008年度の予算案を作成することとなります。

この文書は、まず、大統領の優先事項として「米国競争力イニシアティブ」を挙げています。続いて、一般的な研究開発予算に関する優先事項を示しています。その次に省庁横断的な研究開発プログラムの優先事項について説明しています。最後にその実施にあたっての、投資基準及び評価について説明しています。

大統領の優先事項:米国競争力イニシアティブ

 この文書では、まず、大統領が進める優先事項として米国競争力イニシアティブを挙げています。このイニシアティブは、米国の経済力の推進に大きなインパクトを与える可能性のある物理、工学分野の基礎研究をサポートする連邦政府機関の研究開発予算を今後10年で倍増しようとするものです。この連邦政府機関とは、米国科学財団(NSF)、エネルギー省科学局、商務省国立標準技術局の3つです。10年で研究開発予算を倍増するため、この3つの機関における2008年度の研究開発予算は、2007年度比約7%増とすることとしています。

研究開発予算に関する一般的方針

 この項では、まず、限られた予算の中で、多くのプログラムを実施する必要があるので、各省庁は、既存のプログラムを、必要性と優先度とを照らし合わせながら厳しく評価し、場合によっては、方向転換、予算の削減、あるいは中止することも検討する必要があるとしてします。そのため、政府としては研究開発予算を次の項目に重点を置くことが望ましいとしています。

  • 生活の質の向上に繋がる基礎科学に資するもの

  • 技術革新、経済競争力、新しい雇用の創出に拍車をかけるような高い潜在力のある基礎研究をサポートするもの

  • 理科教育をより効果的に推進することを可能にするもの

  • 国家安全保障、エネルギー問題、次世代航空システム等の国家の長期目標を達成するために連邦政府の力を必要とする高い成果が期待される事業を推進するもの

  • 特別に認められた事業を継続するもの

  • 生産性向上のため、国民の健康増進を図るもの

  • 科学的教養のある人材及び国のニーズに応じた技術をもった人材を養成、確保するもの。

  • 観測技術、データ収集、分析、モデル研究、社会科学研究を通じて地球規模の環境問題及び自然災害に対応できる能力を強化するもの

  • 競争的な能力ベースのピアレビュー方式を拡大し、一方、生産性がわずかなものや、重要性に乏しいものは徐々に廃止することにより、科学技術事業を最大限に効率的、効果的に実施すること。

  • 科学の境界領域における協力、発明等を推進するもの、及び境界領域分野を発展させる国際的な協力を強化するもの

 なお、各省庁のプログラムの実施にあたっては、倫理的課題を高いレベルでクリアーし、不正や利益相反、プライバシーの保護等の問題について明確なガイドラインを設ける必要があるとしています。

 また、各省庁は、各研究開発プログラムの企画調整にあたっては、国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)の方針を配慮しなければならないとしています。

省庁横断的研究開発予算の重点事項

 この項では、省庁横断的研究開発予算の重点事項として、次の6項目を挙げています。

  • 国土安全保障
     約4年前に大統領が発表した国土安全保障戦略に基づいて、研究開発活動は大きな成果を挙げているが、それでもまだ、取り組むべき課題が残っており、生物、化学兵器による汚染を迅速かつ効率的に除去するための研究、それらの兵器に関する物質をいち早く発見するための研究、食物や飲み水の安全確保のための研究等に重点を置くべきとしています。

  • エネルギー問題
     2006年の大統領一般教書演説で発表した先進的エネルギーイニシアティブに基づいて、関係省庁は主に、家庭や職場における電力源の多様性や、自動車燃料の代替エネルギーの開発につながる基礎研究を支援すべきであるとしています。

  • 高度ネットワークとハイエンドコンピューティング
     ネットワーク及び情報技術研究開発プログラムに基づいて、従来どおり、ハイエンドコンピューティングに重点を置くべきであるが、これに加えて、高度なネットワーク技術と情報セキュリティーに重点を置くべきであるとしています。

  • 国家ナノテクノロジーイニシアティブ
     国家ナノテクノロジーイニシアティブにおける継続した投資は、技術革新を推進するものであり、この分野における米国の競争力を維持するものと位置づけています。そのため、ナノサイエンスの基礎及び応用研究を支援し、ナノスケールの特性や側定学の方法論を発展させ、新たな技術の可能性を広めるべきとしています。また、ナノテクは、生命科学と物理学との架け橋となる等、新たな境界領域の創出につながるものであるので、異なった研究分野間の協力、異なった省庁間の協力を促進しています。

  • 複雑な生物系に対する理解
     関係省庁は、複雑な生物系に対する理解を深め、発展させることに投資の的を絞るべきとしています。これは、生物学者だけでなく、物理学者、生態学者、社会学者等の協力を必要としています。生物や生態系の理解を知識を深めることは、安全保障問題や健康問題、環境問題等にも大きな影響を与えるとしています。

  • 環境問題
     環境問題に対する研究は、継続可能な経済成長と健康的な環境の確保に大きな役割を果たすとしています。このため、地球観測、気候変動に関する研究、海洋研究に重点を置くものとしています。

研究開発投資基準

 大統領管理計画(The President's Management Agenda)では、研究開発プログラムの実施にあたっては、「関連性」、「質」、「業績」の3つの基準に照らし合わせることが指示されています。また、各プログラムは政府のプログラム評価採点ツール(The Program Assessment Rating Tool; PART)の対象となるとしています。


(参照:http://www.ostp.gov/html/m06-17.pdf)


(平成18年7月18日 JSPSワシントン研究連絡センター)