フランスの大学、研究所への訪問
JSPSストラスブール研究連絡センターでは、フランス各地の大学、研究機関を訪問して大学幹部や研究者と直接に対話を行い、その機会に各地のJSPS同窓会との交流を深めています。
今回は、CEA(Commissariat à l’énergie atomique)Saclay研究所とUniversité de Cergy–Pontoise(セルジーポントワーズ大学)への訪問を実施しました。概要は以下の通りです。
1.CEA(Commissariat à l’énergie atomique)Saclay研究所訪問
CEAのSaclay研究所は、パリ市内から南西25kmほどのところに位置するSaclay市にあり、フランス政府がフランスのMITをめざして、一大学術拠点を開発しようとしているパリ南部地域にあります。また、周辺にはフランス有数の大学、グランゼコール、研究所が所在しています。ドゴール大統領の時代の1952年に創立された同研究所は、5000人の研究者を有し、管理部と9つの研究所から成り、今回はその一つ生物技術研究所(Institut de Biologie et Technologies de Saclay (iBiTec-S))を訪問しました。この研究所では、500人の所員が生物学の分野の基礎研究を行うとともに、それを支える技術施設を有しています。
今回は、Dr. Michel Riva 生物技術研究所長(Institut de Biologie et Technologies de Saclay (iBiTec-S))による訪問のアレンジのもと、Dr. Maite PATERNOSTRE 副所長およびMr. Emmanuel COUSIN(iBiTec-S 渉外担当主任)と、日仏研究者交流について意見交換を行いました。
また、Dr. Maite PATERNOSTRE 副所長の司会により、同研究所の紹介、研究者、博士課程の学生を集めての学術振興会事業説明会、Marie-Claire LETT 教授(JSPSフランス同窓会会長)によるJSPSフランス同窓会活動のプレゼンテーション、およびJSPS OB 3名による日本での研究生活や経験談が語られ、帰国後も日本の研究者と盛んに学術交流を行っている様子が伺えました。
さらに、生物研究室(Laboratoire de Biologie Integrative (SBIGeM))、生物有機化学研究室(Laboratoire de chimie Bioorganique (SCBM))、膜たんぱく質研究室(Laboratoire des ProteinesMembranaires (SB2SM))を訪問し、各研究室長から研究の概要説明を受けるとともに、研究施設を見学しました。
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Dr. Danielle ALLOIN JSPS OB
による日本での研究生活のプレゼンテーション。
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Dr. Maite PATERNOSTRE 副所長(左から2人目)、Mr. Emmanuel COUSIN 渉外担当主任(右端) |
Dr. Maite PATERNOSTRE 副所長によるCEA-Saclay研究所の概要説明。 |
2.Université de Cergy-Pontoise(セルジーポントワーズ大学)訪問
セルジーポントワーズ大学は、パリ市内から高速郊外鉄道(RER)に乗り、北西へ40分程度行ったパリ郊外のセルジーポントワーズ市にあります。セルジーポントワーズ大学は、ほとんどの学術分野の教育課程を提供し、学士号から博士号まで取得できる学際的な大学として、1991年に設立されました。現在、法学、経済・経営学、言語学、人文科学、理工学の5つの研究科、教員養成課程(IUFM)、技術工学課程(IUT)、行政官準備課程(IPAG)を有する総合大学で、学生数18500名(内、外国人学生1700名)、教育・研究スタッフ1000名、CNRSなどの研究者500名、事務・技術スタッフは600名にのぼります。また同大学は、2009年1月よりフランス高等教育・研究省により選ばれた20の自治大学の一つです。
セルジーポントワーズ大学の特徴は、150以上の海外の大学と交流協定を結ぶなど国際交流事業を強化するとともに、産業界との産学連携も盛んで、450以上の企業と共同研究を実施している点です。また、同じ地域にある10のグランゼコール(ESSEC、ENSEA、EISTI、ITIN-ESCIA、EBI、EPMI、EPSS、ILEPS、ISTOM、l’Ecole Nationale Superieure d’Art)とPRES Cergy University を結成して、研究や高等教育のネットワークも作っています。
さらに、セルジーポントワーズ大学のあるヴァルドワーズ県(Val-d’Oise)と大阪府は文化・社会・経済の友好交流に関する覚書を締結しており、この友好関係をもとにセルジーポントワーズ大学は、大阪府立大学と学術交流協定を結び、積極的に学生交流を行っています。
今回の訪問では、Dr. Catherine MARSHALL 国際担当副学長、Mme. Heyliett ARIBAUD 国際課長との意見交換、またMARSHALL 副学長の司会により、研究者、博士課程の学生を集めての学術振興会プレゼンテーション、Marie-Claire LETT 教授(JSPSフランス同窓会会長)によるJSPSフランス同窓会活動のプレゼンテーション、およびJSPS OBによる日本での研究生活や経験談が語られました。JSPSプレゼンテーションには、PRES Cergy Universityに加盟している他の機関からの参加もありました。
(JSPSストラスブール研究連絡センター発行『JSPS Strasbourg Office Quarterly/2009-10 NO.1』掲載)