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ボローニャ・セミナー「ラーニング・アウトカムとECTSに関する共通理解の展開」


 ボローニャ・プロセスを推進中のボローニャ事務局認定のセミナー「ラーニング・アウトカムとECTSに関する共通理解の展開」(Development of a Common Understanding of Learning Outcomes and ECTS)が2008年6月19日〜20日にポルト大学(ポルトガル)において開催された。セミナーは、欧州高等教育機関協会(EURASHE:European Association of Institutions of Higher Education)と欧州学生連合(ESU:European Students’ Union)との共催で進められた。
 この会議は、学修成果(Learning Outcome)の理解を進めるための提言を行うこと、学修成果(Learning Outcome)とECTS(European Credit Transfer System)の展開を模索すること、質保障における学修成果の広い理解を進める等の目的で行われている。

 9月に最終報告書が作成されたので、以下、会議結論と提言から要約を抜粋する。


◎会議結論から(抜粋)

  • ECTSと学修成果への移行には多大な労力が必要である。これは、より学習者中心のアプローチへのパラダイムシフトを意味する。学修成果を評価・展開するスタッフを養成することは不可欠であり、これには、学長レベル、閣僚レベルでの関与が必要である。
  • ECTS等の変化の当事者になる大学スタッフ、学生等を関与させていくことが重要である。
  • プログラム構築のために、学習者、雇用者を含む全ての利害関係者からのインプットがなされるべきである。学修成果は利害関係者に理解しやすいものとなるべきである。大学は単に労働市場に学生を送り出すだけでなく、自分たちの学生が労働市場を形作っていく、という双方向プロセスを認識する必要がある。
  • ECTSにおいて、学修成果と学修量(Workload)はカリキュラム計画等に役立つツールであるが、学修量の計算それ自体は、厳密な科学でも、完全な基準でもないことに留意する必要がある。特に大学外での学修量の算出は容易でない。
  • 学修成果は、高等教育機関の全ての学修を捉えられるものではないので、全体論以外の限られた方法において使用されるべきではない。学修成果は、より高いレベルの学修を測るものである。学修成果は、雇用に関連のない成果を掴むことができるが、評価の対象になっていない予期せぬ学習成果が、学生のために大切な価値を持つこともある。
  • ECTS、学修量、学修成果を、他のボローニャの枠組みと関連付けることが必要である。例えば、質保証のための欧州基準とガイドライン(ESG:European Standards and Guildlines for Quality Assurance)、欧州質保証登録(EQAR:European Quality Assurance Register)、各国資格枠組み及び欧州高等教育圏資格枠組(NQF:National Qualifications Frameworks and the Framework for Qualifications of the European Higher Education Area), 生涯学習のための欧州資格枠組み(EQF-LLL:European Qualifications Framework for Lifelong Learning)などである。
  • 様々なボローニャ行動目標との相乗効果を明らかにするべきである。


◎提言(抜粋)
1.関係者のための優先事項

  • 学修成果、学修量、ECTSに関連するボローニャフォローアップグループ(BFUG)、各国閣僚、学長会議、質保証機関のハイレベルの関与。これには、機関間のグッドプラクティス共有と連動したスタッフ養成の努力や適切な関与を要する。
  • ボローニャ参加国内、各機関内での、各国資格枠組み(National qualification framework)の開始と展開。また、ボローニャ枠組みと各国資格枠組みと一致した学修、教授法、評価法の運用と展開。
  • 欧州高等教育圏(EHEA)の恩恵及び相乗効果等の利害関係者への提示。これには、ボローニャの根本原則等を明示することがもっとも有効。
  • 学修成果、各国資格枠組み及びECTSの活用並びに展開を支援する国同士のプラクティス共有サポート。


2.BFUGに対する提言

  • 実行までの割当て時間に懸念が噴出していることを表明すること。段階的実行を許可すること。ヨーロッパの国、地域レベル、部門・科目の多様性を考慮に入れたカリキュラムレビューのための一般的サイクルの間に実施することを認めること。
  • 発表されている学生の学修量が、学習者大学関係者のためのその国の指標を提供していること及びECTS単位互換が各国の相互平等原則で成されることを明確化すること。など。


3.高等教育機関に対する提言

  • 全ての利害関係者に学習成果等の恩恵を説明するとともに、概念と関わりを明確化するユーザーの視点に立った資料を展開すること。
  • スタッフの育成に力を注ぐとともに、新しいアプローチに関わることを進めるインセンティブを付与すること。
  • 学生組合と協同すること。など。


4.各国の関連政府機関に対する提言

  • 各国資格枠組みNQFが利害関係者にとって共同的で透明な方法で構築、実施されるよう保証すること。
  • ECTSを使った学修成果が適切に実行されるよう、スタッフディベロップメントにファンドやリソースを提供すること。
  • 国の質保障機関の評価員が適切にトレーニングされているかを保証すること。



【関連URL】
Porto_Bologna会議ウェブサイト
ECTS説明(欧州委員会)


(JSPSロンドン研究連絡センター発行Newsletter No.18(平成20年10月発行)掲載)