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リサーチカウンシルUK推進計画の概要


 本計画は、「科学・イノベーション投資計画2004−2014」といった中長期的英国の主要科学技術政策を踏まえ、また、ブラウン内閣のもと省庁再編設置された「技術革新・大学・技能省」並びに2007年10月に発表された「セインズベリー・レポート」が掲げる国の戦略目標の趣旨に合致した政策推進の強化を目指している。
 これは、リサーチカウンシルUK(以下RCUK)の包括的な推進計画を示すものであり、本推進計画に沿って、総計7機関の各研究分野別リサーチカウンシルの推進計画が策定されている。
 まず、RCUKの役割を踏まえ今後3年の優先課題について個別目標・アクションプランを提示している。


○リサーチカウンシル全般の役割(3つのキーワード)
事業をとおして、
(1) 現・次世代の優れた研究者・人材育成(Skilled People)
(2) 卓越した研究基盤を確立し世界へ「知識」を発信・提供(Knowledge)
(3) 世界経済への影響力向上(Economic Impact)
等を推進する。

○3年推進プランの優先課題
A. 英国研究基盤投資向上
B. 英国研究基盤強化
C. 多様な英国研究基盤の動員(活用)及び国際レベルの研究課題に関する英国の影響力向上
D. 英国RCUK事業運営効率・効果の向上

 以下に、リサーチカウンシルが本来備えるべき役割と3年推進プランの優先課題の相互関連を示し、それぞれキーワードを提示している。

役割
優先課題
(1)Skilled People
(2)Knowledge
(3)Economic Impact
A英国研究基盤投資 訓練・フェローシップ等への投資 世界レベルの研究への投資 経済効果のある投資
B英国研究基盤強化 技能基盤強化 研究基盤強化 経済効果向上
C英国の国際課題への影響力向上 技能課題への先導力・影響力 社会の研究課題への先導力・推進力 経済に影響力のある課題に対する先導力・影響力
D効率・効果向上 RCUKの事業運営効率向上

引き続き、個別目標・アクションプラン事例を以下にあげる。
(◎は大項目 ●は目標テーマ ○はアクションプラン)

◎世界レベルの研究への投資
●多面的・学際的研究分野への投資
○重点学問領域
(1)エネルギー
(2)環境変化と生活
(3)安全への世界的脅威
(4)高齢化−生涯の健康福祉管理−
(5)デジタルエコノミー
(6)ナノ・サイエンス−工学から応用―

●世界レベルの研究施設の提供
○大規模施設ロードマップの作成
・2年ごとに大規模施設ロードマップ更新(最新版は2007年秋策定)

◎研究基盤強化
●英国研究基盤の推進・持続可能性
○マトリックス型研究評価枠組の開発・構築
・本枠組が含む要素は、国際競争力を兼ね備えた研究環境、学際的・政策主導型・実践型研究の奨励、経済への影響力・知識移転推奨・国際的ベンチマーキング活動・大学事務経費軽減 等

○「フル・エコノミックス・コスト」制度導入監視
・今後も引き続き研究助成のうち約80%を「フル・エコノミックス・コスト」方式にて配分
・特に、「技術革新・大学・技能省」の「Capital Investment
Fund」と同様に、科学予算の9割を「フル・エコノミック・コスト」方式にて配分
・「フル・エコノミックス・コスト」制度運用のチェック機能を備え、長期的な同方式の効率性を評価

○英国研究基盤の研究領域の健全性監視
・主要な研究領域対象:物理、化学、工学、数学(外国語(古典語除く)等

●横断的(学際領域)研究・応用可能性(transformative)のある研究推進

●英国研究者・世界の著名研究者の共同研究促進
○国内外の国際規模研究実施のための(研究助成情報等)情報開示
○国際的共同研究の障壁の撤去
○海外との連携パートナーシップ構築(優先地域:ヨーロッパ、中国、インド、米国)
・国際的なパートシップ強化のため、 海外訪問、ワークショップ、適した研究助成の実施を継続
・RCUKUKの海外オフィス、 中国オフィス(2.6百万ポンド)、米国オフィス(1.2百万ポンド)、インドオフィス(1.5百万ポンド)等を設置(予定含む)。優先国・地域と英国の研究強化推進のため、サービスを拡充
・更に「Science Bridges Scheme」による研究投資を通して米国、中国、インドとの連携強化

●英国研究政策形成におけるRCUKの影響力向上
○研究・イノベーション政策に対する政策形成・決定過程への影響力強化
○政府・政策策定関係者へRCUKの事業・事業成果の効果的周知を実施

◎社会の研究課題への先導力・推進力
●英国を世界の研究・イノベーション拠点へ
○RCUKの国際的認知度向上
・海外向け派遣・受入プログラム、海外オフィスの活動を通してRCUKの国際的認知度、本機関が対象とする研究者・機関支援の質向上に努める
・「Researcher Council Fellowship Award」採択研究者からなる英国外の研究者層を、他の研究プログラム採択者へ対象を広げる。そのうえ、新たに1.4百万ポンド予算規模の「International fellowship Association」設立を通して、英国研究の擁護者増加を図る・層を広げる
○研究開発に関する海外企業・機関の英国への誘致促進
・「Foreign and Commonwealth Office」など他政府機関との連携のもと推進

●国際的に対応すべき研究課題への影響力向上
○経済・社会の研究課題への取組
・(世界複数国が従事する・世界規模に優先課題とされる)国際的研究課題策定・形成過程における影響力向上を図る
・「EU第7次研究枠組計画」が掲げる優先課題と歩調を合わせつつ、EC加盟各国のリサーチカウンシルの主導的立場を維持

●市民と政策・研究セクターの対話促進
○研究(倫理)規則の周知
○市民との対話促進

●RCUKの研究助成を受けた研究者の地域活動推進
○地域貢献活動を行うRCUK研究者への評価・認知向上
○地域貢献活動助成プログラムへのアクセス向上

◎教育訓練・フェローシップ等への投資
●優秀な人材の研究職への活路提示・誘導・勧誘
○英国博士号取得者に対する妥当な支援策維持
・博士号取得者・取得希望者への給付金の最低額を向上、博士号取得支援を図る
○研究分野毎のニーズに対応する研究者養成・支援
・特に博士号取得者不足研究領域への給付金、給与厚遇
・「RCUK Academic Fellowship Scheme」の成果検証

●応用可能性のある研究訓練の習得
○博士学生に対する技能の応用力習得支援
・「ロバーツ報告」の提言にあるよう、博士号取得者と大学・企業等雇用側のニーズが合致することが重要で、高等教育機関へ支援策(約2千万ポンド)を投じる
○研究者に対する企業で求められる技能習得支援
○若手研究者(研究年数が短い研究者)に対する教育訓練の場の提供

◎技能基盤強化
●優れた研究者のキャリア支援/研究者保持
○若手研究者へのキャリアパス提示
・「Researcher Development Programme」(1千9百万ポンド)を通して、キャリアパスの情報提供(冊子広報など含む)
○研究スタッフへのキャリア開発推進
●英国国内外の研究者移動性推進
○世界の優れた人材の招聘
○英国研究者・学生の「海外研ざん」の機会拡大
○研究者・学生移動の国際的障壁除去
・博士課程学生の給付申請の申請資格・対象を英国以外のEU加盟国学生へ拡大

●研究層の多様化推進
○研究職を中断した人材への機会の拡大
○エスニック・マイノリティーへの機会の拡大
○RCUKのスタッフディベロップメント推進

●博士号の経済的影響力の実証
○博士号取得者の就職率等資格取得者が受ける恩恵の度合を測る効果的評価指標の開発
○博士号取得者のキャリア志向・移動性把握調査

●「若手研究者支援・訓練」に対する研究機関の文化への影響力
○高等教育機関のための研究者養成枠組提供
○研究者支援の効果実証を通して研究支援機関の取組を活性化
「Researcher Development Programme」(1千9百万ポンド)を高等教育機関へ投じて、研究者支援の研究全般への効果を評価するプログラム等を支援。


◎経済効果のある投資
●RCUK投資の経済効果向上
○RCUK投資の効果実証・経済効果向上

●研究ユーザーと研究層との協同
○Technology Strategy Board(技術戦略委員会)とのパートナーシップ推進
・RCUKと「技術戦略委員会」との共同事業推進のため最低1億2千万ポンドを投入
○中小企業との協同研究推進
・「地域開発庁」「技術戦略委員会」等との協力のもと、中小企業の協同研究推進

●知識移転ポートフォリオへの投資
○RCUK知識移転研究助成プログラムの充実
○多様なイノベーション過程への知識移転投資

◎経済効果向上
●知識移転キャパシティーの確立
○卓越した知識移転・研究の協同推進のための施策

●企業文化育成
○優れた知識移転への報酬・認知
○ロールモデル・リーダーシップ推進
○研究セクター以外での研究者(研究志望者)のキャリア・活用法の検証
●「知識」活用機会の拡大
○知財管理運営におけるグットプラクティス推進
○研究成果へのアクセス改善

◎経済への影響力のある課題への主導力・影響力
●知識移転圏への影響力向上
○公的研究助成機関・企業・他の研究助成機関の意見集約
○地域開発庁等とのパートナーシップ構築

●政策・戦略・計画への研究ユーザーの参加
○研究ユーザーのニーズ把握
○企業関係者等も含めたピアレビュー形式による研究資金配分の公正性確保
●RCUK助成により実施される研究の国内認知度向上
○一般認知度向上・RCUKへの認知度向上

◎UCUK事業効率向上
・事業経費縮減・事業の効率化:事務効率化プログラムの実施(例 事務運営経費を2010年度までに2.92%削減)
・ピアレビューシステムの効率化プログラム(30万ポンド規模)を通して、約3千万ポンドの余剰金を確保
・2009年3月までに会計人事等事務部門への「RCUK SSC Ltd」を通して情報処理システム導入
一律の給与体系の導入

〔参考〕
「RCUK Delivery Plan 2008/09 to 2010/11」
Research Council UK ホームページ

(JSPSロンドン研究連絡センター発行Newsletter No.15(平成20年1月発行)掲載)