「英国大学における学生1人に対する職員数」に関する報告
5月4日発行の「The Times Higher Education Supplement」紙において、各大学における教員1人に対する学生数の割合SSRs(Student-to-academic staff ratios)が公表された。それによると、London School of Hygiene and Tropical Medicineが最も小さい値3.6を示し、Middlesex Universityが最も大きい値26.4を示した。平均は16.8となっている。また、1992年度以前に設立された大学ではSSRsが低く、1992年度以降に設立された新しい大学ではSSRsが高いという傾向が見られた。なお、本統計では、教育の職務を行う非常勤職員は含まれ、教鞭をとらない研究者は除外されている。
本紙では、以下のような大学教員等からの意見が紹介されている。
・学生数の増加により教育の質を維持するための業務が負担になっている。1講義あたりの学生数が増えれば、少人数制の講義の場合には明らかに影響があり、多くの講義で個別指導が行われていないのを目の当たりにしている。このような状況では、画一的な教育(Factory education)にならざるを得ない。
・古い大学は多額の研究資金を得ているが、学生数の増加により、学生の教育にかかる時間が増え、研究活動に当てる時間が減少するだろう。
・SSRsが低いということは、必ずしも良い教育が行われているということではなく、数多くの分野に関わる教職員が在籍していることを表している。これはつまりその機関の柔軟性を示しており、学生はそれによって恩恵を受けている。
・学生数の増加に応じて大学側で適切な教育や評価方法をとれば、1クラスの規模や教育に関する作業量の増加には必ずしもつながらない。それよりも一番の不満は、事務的作業が増えたことである。
・SSRsの平均をOECDの平均以下にするためには、更に13,000人の完全雇用の教員が必要であり、約6億ポンドの投資が必要である。
2005-06 Student-to-staff Ratio
(JSPSロンドン研究連絡センター発行Newsletter No.13(平成19年7月発行)掲載)