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助成機関による国際会議「社会科学における国際協力の振興」


 2006年1月10〜11日、米国社会科学研究会議(SSRC)主催で、"Fostering International Collaboration in the Social Sciences"と題し、各国の助成機関関係者による国際会議が英国ケンブリッジ大学コーパス・クリスティ・カレッジにおいて、英国経済・社会研究会議(ESRC)と米国科学財団(NSF)の協賛を受けて開催された。


 この会議においては以下のセッションでそれぞれ2〜3名による事例紹介又は意見発表があり、討論が行われた。〔( )内は発表者の所属する国、機関〕

セッション1「研究・ファンディングに関する国際協力:利益と課題」(英、米)

セッション2「国際交流・国際会議」(トルコ、韓国)

セッション3「研究」(仏、加、中国)

セッション4「データベースの開発と共有」(国連ラ米・カリブ諸国経済委、英)

セッション5「研修及び人材育成」(蘭、南ア、ハンガリー)

セッション6「インフラ」(研究センター)(EU、米、豪)

セッション7「将来の協力への見通し」(フィンランド・NORFACE、加)

セッション8「次のステップ」(英、米)


 冒頭、英国ESRC筆頭理事のIan Diamond氏が、社会科学における国際的協力の形態及び障壁、大型データセットの必要性、若手研究者の海外研修等について問題提起を行ったのに次いで、米国NSF社会行動・経済科学局長補のLightfoot氏は、(1)社会科学のうち、多くの領域で国際協力が可能である。現在の社会及び科学が抱える課題はすべて学際的な問題であり、その多くについては地球規模で考える必要がある。(2)社会科学も情報通信技術の進歩により形が変わってきた。データの収集と保管の方法も考える必要があると述べた。


 各セッションでは(1)各国の制度、特に研究財源や政府の関与の違いに注意すべきこと、(2)自然科学での状況を見て、国際交流のメリットを冷静に考えるべきこと、(3)自然科学は自動的に世界を指向する一方、社会科学はユーザーである社会に留意すべきであること。但し、科学自体が政治的になることにも注意すべきである、などの指摘があった。また、留意点として(1)協力の要となる研究所の存在(2)優れた研究に関する協力であること(3)効率的なネットワークを組むこと(4)データ・シェアリング(5)若手研修(6)国際的な枠組みで作られるグローバル戦略(7)ドナーや関係機関との協力が挙げられた。


 また、最終セッションでは次のステップとして(1)研究者間又はチーム間から国際研究協力が自然に始められる。(2)優れた研究をネットワーク化する。(3)先進国の機関がこれにファンディングを行い、経験を共有する。(4)研究リソース(データベース)の共有、データベースに関する研修の実施。(5)国際社会科学データフォーラムの開催などが挙げられた。


 この会議を通じて、人文・社会科学における多くの分野において統計等のデータは極めて重要な研究リソースであり、国際的にアクセス可能な大型データベースが人口の高齢化といった共通の社会問題に関する研究に有益であることから、言語等の障壁はなかなか低くならないものの、データの整理等についてもいずれ国際的な交流・協力が加速していくことが予感された。


(JSPSロンドン研究連絡センター発行Newsletter No.8(平成18年4月発行)掲載)