| 1 セミナー名 |
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| 2 開催期間 | 平成14年11月25日 〜 平成14年12月5日 11日間 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 3 開 催 地 (会場) | 九州大学国際ホール(福岡市) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4 開催責任者 |
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| 5 参加受講者数 |
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| 6 セミナー参加者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (1) 日本側正参加者・計 25 名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| (2) 日本以外からの正参加者・計 25 名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 7 日程及び議題 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 8 学問的成果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
若手研究者を我が国に招へいして行われた本セミナーの主目的は、まとめると以下のとおりである。
上記のような目的を達成するために、セミナーは次のように進められた。 <基調講演> セミナーの冒頭で3つの基調講演を行った。 まず、講義の全体を貫く比較法的視座について、アジアと欧米の間にあって、興味深い位置を保つオーストラリアのメルボルン大学スミス教授に、「比較法と法文化」の講演をいただいた。つぎに、アジア社会において法文化を形成する重要な要素としての宗教に目を向け、イスラム教国から招へいしたガジャマダ大学ファラーク教授とマラヤ大学スハナ助教授、及びチュラロンコン大学アピラート助教授の講演を拝聴した。 さらに、我が国を含む東アジアの法へと話題を展開し、儒教の影響も交えながら理解していただく目的で、北京大学タン助教授、釜山国立大学キム教授及び九州大学角松助教授が講演を行った。 <パネル・ディスカッション> 基調講演を担う研究者は、いずれもアジアの異なる文化的背景を代表してこのセミナーに招かれた優れた法学者である。一回限りの一方向的な講演で役割を終了するのは惜しいとの考えから、受講者からの質問意見も途中に取り上げつつ行うパネル・ディスカッションを企画した。総合司会は、本セミナーのカリキュラム作成に当初から深く関わっていただいたタマサート大学キティサック教授に依頼し、議論が本セミナー趣旨の核心を超えて広がらないようにした。 <演習> 1時限を2時間半とゆるやかな時間帯に定めたのは、演習の進め方について、担当する講師が個人で作成する演習シラバスを尊重するためである。しかし、受講者全員の中から漠然と意見発表を募ることは明らかに効率的でないため、セミナー実施委員の間で、応募の際受講生に提出をもとめた研究概要(レジュメ)を事前に熟読し、その演習をリードするキーパーソンを2〜3名選んで配置することとした。その結果7時限ある演習は受講者の真の関心事に沿って、「憲法・公法学」、「国際経済・取引法学」、「司法制度論」に集約される流れへとまとめられた。 <スタディ・ビジット等> アジア各国から16名の受講者を招いて開かれる本セミナーは、アジアとの経済取引や犯罪防止に特別に関心の高い福岡地域の法曹関係者にとっても良い出会いの機会であった。今回招へいした法学研究者の中には、学術研究機関にとどまらず将来実務を通じて研究を高めていく可能性のある者もいる。そこで、我が国の司法の実態を紹介するとともに、日本とアジア諸国の法曹関係者の間で相互理解が進む端緒となることを期待して、福岡地方裁判所と福岡県弁護士会に訪問と討議をお願いした。同夕行われたレセプションには、在福岡大韓民国領事館総領事、在福岡中華人民共和国領事館主席領事、福岡県弁護士会副会長、福岡地方裁判所判事らが出席くださり、福岡地域の在外公館や法曹関係者との交流を図りたいという目的にかなう会合となった。 <ワークショップ> 受講者の自主的な研究・討論の機会を一日設け、日本で出会うことのできた他国の研究者との間で情報や意見の交換が十分に行われるよう会場を開放し、同時に報告案づくりに必要な作業等にあたることとした。 <討論及び総括講演> セミナーを通じて新しい知見を得た受講者に、その活気がさめないうちに、セミナー終了の時点から始まるべき具体的な共同プロジェクトと研究者ネットワークの構築を実際に検討してもらうよう、会場をメインの会場から離れた九州大学国際研究交流プラザ講堂に移して気分を一新し、討議した。11日間のセミナーは、連日の議論を通じて密度の濃いものとなることから、一部に混乱を覚える受講者もあるであろうことを鑑み、名古屋大学で本年度から新たに法政国際教育協力研究センターを始動させアジアの法整備への協力を続ける鮎京教授に、全体を取りまとめる総括講演をお願いした。 グローバリゼーションの荒波の中、多文化・多文明の社会基盤を持つアジアの研究者が集い、それぞれの国の法制度と法文化を語り合い、アジア地域全般に流れる何らかの共通基盤を探ろうとした本セミナーは、11日間という長い期間を同じメンバーの受講者が、講師を変えてたゆまず議論し続けるという特異な方法で行われ、受講者だけでなく講師陣にもあらたな発見をもたらした。 物流と情報通信の環境進化に伴い、国際貿易と安全保障の観点からアジア地域に目を向ける西欧の影響力が強まる中で、我々は、アジアをアジアたらしめている文化が失われるのではないかという危惧に襲われている。アジア的なるものを一端再び捉え直すことなしに、それが今後も存在しつづけるということを前提とできる時代は終焉しつつある。法の整備と法学研究教育を担う学術研究グループにおいても、むしろ積極的に行動を起こすことによってアジア的なものを救い、保全し、維持し、その仕方まであわせて次世代に伝えなければ、アジア的なものは消滅するのではないか、と考えるのである。 しかし、また同時に、ではその「アジア的なるもの」の実質的な内容は何かという点については、その多義性や複雑性が浮き彫りになったと言うべきであろう。議論の中でも、「アジア法」とは何か、「アジア法」概念を構築することの実質的な意義は何かといったことが明確に論争点となったからである。この点については、各国からの参加者それぞれがその政治的、経済的、文化的特質を背景として、議論を展開し、多元的な問題の構造が次第に明らかになっていったように思われる。 大陸法や英米法といった既成の法系概念とは異なり、アジア法概念はこうした重層的多様性を内部にはらみながら、その暫時的相互理解を促進するような場ないし枠組みとして機能する動態的な法構造を意味するのではないかということである。性急に実体的な概念の内実を決め付けるのではなく、「アジア法」とは何かを議論しつづけることにこそ、換言すればそうした議論を活性化し相互理解を促進することにこそ、「アジア法」概念の意義が有するのではないかということもできよう。 そして、そうした議論の場を提供しリードしていけるのは、いうまでもなくアジア外部の西欧先進国ではなくてアジアの国々であるし、その中で我が国がその中心的な役割をになうべき立場にあることも確認できたと思われる。西欧法を受容しつつ調整的に社会の中に組みこみ、独自性を維持しながら共通の民主的基盤を形成してきた我が国の経験を、アジア全体の独自性を保持した上での対話と秩序の構築に生かしていくことこそ、我が国法学者の責務であり、本セミナーはその第一歩として重要な意義を有し、また成功を収めえたと考えている。 なお、今回のセミナーでは、交流協定校等の推薦をもとに若手研究者として招聘された受講者の平均年齢が、42歳と従来の若手研究者の基準に比べ比較的高い年齢層となった。各大学の助教授クラスを中心に構成されている。これは、実例研究の経験、社会科学に不可欠な人間理解を含む高度な思想哲学、しかも学問分野として依然成熟をみていないアジア法研究を将来に展開していく活力の有無等、様々なバランスと発展性を考えた上で、最善の人選に収斂された結果である。 実際、これらの研究者の間で授業形式よりも討論形式中心の運営をすることにより、参加者全員が積極的に議論に参加し、しばしば予定の時間を超えての活動となった。当初のセミナーの趣旨から、日本の法制度の解説を出発点とし、アジア各国が抱える法的諸問題を参加者から紹介してもらうことにより、アジアにおける法の役割をあぶり出していったが、地域特有の慣習法形成と、宗教の影響が根強くアジア各国の法意識の基盤となっていることが、「自らの観察に自信を持ちながら他の意見に柔軟に耳を傾ける」年齢にある彼らの問題提起から、明らかにされていった。 今回持ち寄られた資料の中から、執筆者が承諾したものについては、九州大学アジア総合研究センター内にあるアジア法研究センターのホーム・ページを通じて公表が予定されている。また、セミナー成果報告書は、国内外の研究者の間でだけでなく、本学法学府国際経済ビジネス法特別コース及びヤング・リーダーズ・プログラムで比較法・日本実定法を専攻する留学生の参考図書としても活用される予定である。これら修士課程の学生のうち、今回は10名程度がセミナーに聴講者として参加した。その結果、セミナーに関わった講師、受講者、聴講学生を各国のキーパーソンとして、近い将来アジア法研究グループを国際的に構成していくことが十分期待できる友好的な会合ともなった。 今回のセミナーでは、平成13年11月〜14年10月の1年間、本学で国際関係法学専攻(アジア法)の教授を務めたタマサート大学のキティサック教授に、セミナー・カリキュラムの設計と受講者の選考に際して真摯な協力をいただいた。九州大学とタイの大学関係者との間での、実り豊かな協働事業となったことも申し添えたい。上記に述べたような密度の濃い議論が重ねられ、地域的に広範な参加者を確保できたことから、今後の共同研究の基盤ができたことに、主催側も参加者側も高い評価を与えセミナーを終了した。アジア人によるアジア法学構築の第一歩がしるされたという意味において、きわめて重要な意義を持ったと考える。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 9 関連行事 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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<11月29日>
<11月30日>
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