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外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

Barry Marshall

滞在中の日程
年月日 訪問先名称・訪問内容(研究討議・講演・視察等)
平成18年
 
11月15日 成田空港着
新宿:センチュリーハイアットホテル(泊)
11月16日 午後2時:日本学術振興会訪問
小野元之理事長、井上博允監事と会見
Helicobacter pylori感染症の今後につき広く意見交換を行った。
小野理事長よりJSPS Awardを授与。
11月17日 杏林大学主催昼食会出席.杏林大学からは跡見裕杏林大学医学部長(日本消化器病学会理事長),高橋が出席.講演会の打ち合わせを行った。
 午後4時,杏林大学付属病院を訪問.病院見学の後,松田博青杏林学園理事長と面会.オーストラリアの医療や医学教育などにつき懇談した。
 午後7時30分より,東京都内調布市グリーンホールにおいて,日本学術振興会, 日本ヘリコバクター学会,杏林大学共催の「マーシャル教授ノーベル賞受賞記念市民公開講演会」にて記念講演を行った(出席者:約650名)。
11月18日 週末(フリータイム)
午後2時から、毎日新聞社主催の市民公開 「毎日健康シンポジウム」
11月19日 - ピロリ菌から胃の健康を守る~乳酸菌の可能性を探る -
で演者として協力参加し、基調講演を行った(出席者 約300名)。
11月20日 空路大分へ移動。大分大学の研究者と歓談し、今後のアジア地区におけるヘリコバクター・ピロリ感染症研究の方向性についてdiscussionした。
(約20名の大分大学の研究者が参加した)
11月21日 午後2時:大分大学学長室へ 羽野 忠 大分大学学長を表敬訪問
大分大学客員教授称号、大分大学名誉博士称号を授与
大分大学芳名帳に記帳・学長より記念品授与

午後6時:大分県立総合文化センター 「音の泉ホール」 にて 市民公開「ノーベル医学・生理学賞受賞記念講演会」を開催した。
約350名の市民および大学関係者が参加した。
11月22日 午前10時に大分から空路東京へ移動。
午後1時-午後5時:
日本ヘリコバクター学会コンセンサス会議(約180名の学会員が参加)
(第一ホテル東京シーフォート)

午後6時30分―7時30分:
医師対象「ノーベル賞受賞記念講演会」:東京プリンスホテルパークタワー
(約1100名の医師が参加)
11月23日 成田より帰国の途につく

受入実施の状況とその成果

Barry Marshall博士が来日して日本各地で実施したの記念講演会は、日本ヘリコバクター学会所属の専門医師は勿論であるが、日本の多くの大学の研究者および一般市民にとっても極めて意義深いものであり、わが国の国民に深い感銘を与えた。

Barry Marshall博士の「ノーベル賞受賞記念講演」は、ヘリコバクター・ピロリ菌発見の経緯、そしてその後の展開についての内容であり、とくに博士が自ら行ったピロリ菌を飲み込んでの感染実験の結果についての報告が聴衆の興味の中心であり、大発見が単なる偶然ではなく、偉大な新発見を導くための日ごろの熱意と自らの胃に対して感染実験を行う勇気がその基本に存在したことを知り、多くの聴衆に深い感動を与えた。さらに、講演の最後には、ストックホルムでのノーベル賞受賞記念式典のビデオ映像を供覧され、聴衆に深い感銘を与えた。

前述したように、Marshall博士の来日期間中に記念講演を拝聴した人数は約2500名に達し、ヘリコバクター・ピロリ感染と胃癌発症との関連がほぼ明らかになった現在、胃癌多発国であるわが国の研究者および国民に深い感銘を与えた。

このように、ヘリコバクター・ピロリ菌発見の業績を後世に伝える重要な機会を与えていただいた日本学術振興会に対し心から感謝の意を表します。

招へい研究者の受入機関に対する寄与
(若手研究者への刺激,受入機関全体の国際化など)

Warren、Marshall両博士のノーベル賞受賞の理由は、ヘリコバクター・ピロリが胃炎の原因であり、その除菌治療により消化性潰瘍再発が著しく抑制されることであった。近年の知見では、ヘリコバクター・ピロリの持続感染が長時間を経て胃癌や胃マルトリンパ腫の発症につながることも明らにかなっており、最近では消化管におけるSlow Bacterial Infectionとしての概念が定着している。これらの視点から、その発見者であるBarry Marshall博士からの直接のメッセージは若手研究者への新たな刺激として十分なものであった。また、本招へいを通じてわが国のヘリコバクター・ピロリ感染対策がより一層の進展を示すと共に、本菌の感染頻度が高いアジア地区への対策が日本の指導によりさらに進歩する事が望まれる。Barry Marshall博士の講演は、招へい受け入れ機関である大分大学のみならず、ヘリコバクター・ピロリ研究の専門学会である日本ヘリコバクター学会員に対する本菌感染の重要性の再認識や、今回の共同ホスト校を努めて頂いた杏林大学の今後の研究の発展に大きなインパクトを与えると共に、市民に対してヘリコバクター・ピロリ感染の重要性を啓蒙することができた。