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外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

't Hooft

滞在中の日程
年月日 訪問先名称・訪問内容(研究討議・講演・視察等)
平成18年  
11月20日 名古屋着(中部国際空港)
2006年国際ワークショップ「質量の起源と強結合ゲージ理論(SCGT 06)」
(名古屋大学、組織委員長:山脇幸一)のレセプションに出席。
11月21日-24日 2006年国際ワークショップ「質量の起源と強結合ゲージ理論(SCGT 06)」
11月23日 (名古屋大学)に出席。招待基調講演および会議のまとめの講演。
一般講演 "The Smallest Building Blocks of Matter"〈名古屋大学シンポジオンホール)参加者約200名。
11月25日-26日 坂田模型50年国際シンポジウム」(名古屋大学、組織委員長:山脇幸一)に出席。招待講演。
11月27日 日本学術振興会本部を訪問。東京大学理学研究科で講演および研究討議。
11月28日-29日 東京大学理学研究科で研究討議。
11月29日-12月10日 名古屋大学理学研究科で講義および講演および研究討議。
12月4日 講義 "Complex transformations in space and time, and the cosmological constant problem"
12月5日 講義 "Black Holes in Elementary Particle Physics"
12月7日 講演 "Determinism in Quantum Mechanics"
12月10日 京都へ移動
12月11日-13日 京都大学基礎物理学研究所主催
湯川・朝永生誕百年記念シンポジウム―現代物理学の進展―へ出席
12月14日 関西国際空港より帰国

受入実施の状況とその成果

't Hooft教授は現代素粒子論のほとんどすべてにわたってその根幹をなす決定的業績を挙げている。ノーベル賞の受賞対象になったのはそのほんの一部である。

今回の訪問は、山脇が主宰する国際会議SCGT 06(‘‘質量の起源と強結合ゲージ理論'’)と坂田模型50年国際シンポジウムとを't Hooft教授滞在に合わせて計画した。SCGT 06では't Hooft教授は冒頭の基調講演と最後の結びの講演をして、会議の成功に決定的な役割を果たした。会議では、't Hooft教授をはじめトップクラスの研究者多数を含む45のプレナリー講演が行われ、大変盛況であった。この会議録はWorldscientific社から出版される予定である。

さらに、同教授はSCGT 06会期中に行った一般講演で、万物の起源について同教授の業績に基づく非常に深い思索による説明を行い、理系の聴衆のみならず万物の起源に興味のある文系の聴衆にも深い感銘を与えた。これは名古屋大学全体の知的水準の向上に資するところ大であった。

また、「坂田模型50年国際シンポジウム」は、本学の素粒子論研究における坂田模型以来の世界に誇る伝統を世界にアピールするものであったが、't Hooft教授の同会議への参加は、本学の存在を世界に向けてあらためて大きくアピールすることになり、ひいては日本の学術の地位を高めることとなった。なお「坂田模型50年国際シンポジウム」の会議録はProgress of Theoretical Physicsの増刊号Supplementsとして出版される予定であり、't Hooft教授の講演をはじめ南部陽一郎教授など世界の超一流の研究者の報告が含まれる。

さらに、同教授は名古屋大学滞在中に大学院学生のための専門的講義シリーズおよび物理学教室全体を対象としたコロキウムを行った。これは名大のアクティビティーの向上に大いに有益であった。また、複合模型で有名な先駆的業績のある't Hooft教授と山脇のグループとが複合模型についての意見交換を行い大変有益であった。

さらに、東京大学での講演および研究討議は東京地区の研究者によい刺激を与えた。また京都大学基礎物理学研究所で開催された「湯川・朝永生誕100年記念シンポジウム」で招待講演を行い、日本の学術の地位向上に大きな貢献をした。

招へい研究者の受入機関に対する寄与
(若手研究者への刺激,受入機関全体の国際化など)

't Hooft教授は名古屋大学滞在中、主に国際会議SCGT 06(‘‘質量の起源と強結合ゲージ理論'’)と坂田模型50年国際シンポジウムの2つの国際会議、および一般講演、2度の専門的講義および1回の物理教室コロキウムなど、を通じて若手研究者に多大の刺激を与えた。学問的討論のみならず食事をともにしての人間的つながりも若手研究者にとって非常に有益であった。

国際会議SCGT 06は、't Hooft教授の存在により過去の4度のSCGTワークショップより一段と国際的知名度が上がり、大きな成功を収めた。

また、坂田模型50年国際シンポジウムの討論を通じて、坂田模型をはじめとして、U(3)対称性、名古屋模型、牧・中川・坂田行列、小林・益川理論など、日本の優れた研究が名古屋大学の成果である点が、't Hooft教授をはじめ世界の有力研究者に改めて周知したのは大きな成果であり、名古屋大学の国際化がさらに大きく前進した。