お問い合わせ先

国際事業部人物交流課
外国人著名研究者招へい担当
TEL03-3263-3443
FAX03-3263-1854

外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

Alan G. MacDiarmid

滞在中の日程
年 月 日 訪問先名称・訪問内容
平成15年  
11月8日
午後 14:25成田空港にUnited Airline 852便で到着(来日)。
ハイヤーで東京に移動,ホテルにチェックイン。
11月9日
午前 ホテルにて,白川英樹筑波大学名誉教授及び米国カリホルニア大学
アランJ.ヒーガー教授と研究討議。
午後 ハイヤーにてつくばに移動。ホテルにチェックイン。筑波大学学際物質科学研究センターの専任教授と研究討議及び意見交換
11月10日
午前 筑波大学長主催ウエルカムパーティー(筑波大学本部棟)に出席。
学長,副学長をはじめ大学関係者と意見交換。
午後 筑波大学学際物質科学研究センターの開所式・記念講演会(大学会館)に出席,日本全国から参加した研究者と研究交流と討議。
11月11日
終日 筑波大学学際物質科学研究センターの記念講演会(大学会館)にて,特別招待講演。日本全国から参加した研究者,学内の大学院,学生との研究交流と討議,及び地元高校生との交流。
夕方 学内の研究者及び学際物質科学研究センター関係教授との意見交換
11月12日
午前 つくばよりハイヤーにより品川駅に移動。東海道新幹線にて小田原に移動。タクシーで箱根に移動。ホテルにチェックイン。
11月13日~
11月15日
ホテルにて静養
11月16日
午前 ホテル出発。小田原から東海道新幹線で品川まで移動。
成田エキスプレスに乗り換え,成田空港に移動。
午後 17:30 United Airline 881便にて成田空港出発(離日)。
同日韓国仁川国際空港に到着。


受入実施の状況とその成果

 招へい事業の実施に際しては,2000年(平成13年)ノーベル化学賞を共同受賞した3名の研究者(白川英樹筑波大学名誉教授,アランJ. ヒーガー米国カリホルニア大学教授,アランG. マクダイアミド米国ペンシルベニア大学教授)が一堂に会するよう執り行うことが期待されていた。しかし,受賞直後の3名の研究者は多忙を極めており,スケジュールを調整すること自体が至難の業であった。

 一方,筑波大学においては平成13年末より,白川名誉教授のノーベル賞受賞を記念して「白川センター」と呼ぶべき新しい研究センターの設立に取りかかっていた。そのため,概算要求や文部科学省との交渉を含めたセンターの設立準備に時間を費やさざる得なく,外国人著名研究者の受け入れ機関として十分な準備ができない状況が2年間にわたり続くことになった。幸い平成15年4月より,「白川センター」は「学際物質科学研究センター」として設立されることが決定した。そこで,このセンターの開所式・記念講演会を開催し,これにあわせて本事業の外国人著名研究者でもあるヒーガー教授とマクダイアミド教授を日本に招へいすることとした。

 11月11日の学際物質科学研究センター主催の記念講演会では,ヒーガー教授(演題「"Gene Sensors" Detection of Specific Targeted Sequences on DNA」),及びマクダイアミド教授(演題「Electronic Polymers New Materials for the 21th Century」による特別講演が行われ,それぞれ導電性高分子の生物分野への基礎研究の展開,及び導電性高分子の電子材料分野に向けた応用展開について,最新の研究結果と展望が発表された。
 引き続き,白川名誉教授(演題「ポリアセチレンの研究-アセチレンの重合機構解明からドーピングの発見まで-」),岸輝雄物質・材料研究機構理事長(演題「次世代総合大学としての期待」)及び田中一宜産業技術総合研究所理事(演題「連携と融合への期待」)による講演が行われた。また,前日(10日)の記念講演会では,江崎玲於奈芝浦工業大学長による記念講演(演題「The Birth of a Superlattice and its Evolution with My Personal History」)も行われた。

 外国人著名研究者の招へい事業の支援により開催された「学際物質科学研究センターの開所式・記念講演会」では,研究学園都市の官民の研究所のみならず日本全国から参加した研究者との研究交流や,学内の大学院,学生との研究討議も積極的に行われた。さらに,記念講演会には地元高校生も多数参加し,講演後はノーベル受賞者との交流も行われ,若い世代の理科教育にも貢献できた。
 当開所式・記念講演会は,ノーベル受賞者4名が一堂に会したかつてない盛大でかつ充実した内容の催しとなった。同時に,当該センターの全国的周知と「学際物質科学研究」の中核的拠点としての存在アピール,及び今後の研究活動を推進する上で極めて意義あるものであった。2日間にわたる参加者は延べ約900余名にのぼり,盛況のうち成功裏に終了した。


招へい研究者の受入機関に対する寄与
(若手研究者への刺激,受入機関全体の国際化など)

 11月11日の学際物質科学研究センターの記念講演会でのマクダイアミド教授の演題は「Electronic Polymers New Materials for the 21th Century」であった。これは,導電性高分子の電子材料分野に向けた応用展開に関する最新の研究結果と,プラスチックエレクトロニクスの将来展望を述べたものである。マクダイアミド教授は高齢にもかかわらず,常にフレッシュな感性と熱心な教育哲学を持ち合わせ,また,新たな研究分野の開拓を進めておられる姿が鮮明に伝わり,若手研究者のみならず,多くの院生や学生にも計り知れない大きな刺激を与えた講演であった。また,本学の教官及び研究者にとっても模範となる教師像であり研究者像を知る良い機会となった。

 一方,マクダイアミド教授のノーベル賞受賞を記念して,平成14年同教授の出身国であるニュージーランドにマクダイアミド研究所が設立されている。本学の国際化をより一層進める上で,学際物質科学研究センターと当該研究所との相互交流は重要な位置付けであるとの観点から,今後,両者間での研究交流や共同研究を積極的に実施することが話し合われた。