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国際事業部人物交流課
外国人著名研究者招へい担当
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外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

Louis J. Ignarro

滞在中の日程
年月日 訪問先名称・訪問内容(研究討議・講演・視察等)
平成15年
2月5日
6日
7日
8日
9日
10日
11日
12日
13日


14日

15日

16日
17日
18日

ロサンゼルス発
来日(成田空港)-東京へ  東京宿泊
筑波大学(医学専門学群社会医学系視察)
東京 - 名古屋へ移動
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究討議
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究討議
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究討議
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究討議
名古屋大学大学院医学系研究科科長と会談
名古屋大学大学院医学系研究科特別講義
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究発表討論会(鶴友会館)
名古屋大学発育加齢医学講座(老年科学)研究討議
  NO学術講演会(グランコートホテル名古屋)
浜松医科大学主催講演会(ホテルアクトシティオークラ)
浜松-箱根  研究打ち合わせ 箱根泊
東京へ   東京泊
筑波大学(医学専門学群社会医学系研究討議)
東京発   ロサンゼルス着


受入実施の状況とその成果
 Ignarro教授には、学術振興会著名外国人研究者招聘事業が採択されたのを受け、日程を調整して頂き、本事業のために来日して頂いた。 名古屋大学へは、1999年にノーベル賞受賞記念講演にてお立ち寄り頂いてから4年振りの訪問、招聘であった。 2月6日に来日され、8日に名古屋に到着された。 動脈硬化退縮を目指した新しい治療法の確立-血管指向性一酸化窒素(NO)放出薬剤創薬と遺伝子導入療法の検討 ーのテーマで本事業採択後、受入機関名古屋大学で今年度分研究として、 遺伝子導入は家兎をもちいた、高脂肪食負荷動脈硬化病変へのNO合成酵素遺伝子導入を行い、その成果は論文に値するものと考えられたため、その内容を、研究討議した。結果は論文にまとめ、投稿する事となった(添付資料1)。10日は、老年科学教室の研究室を訪問頂き、NO代謝物測定装置のように日本で開発されたものを御紹介すると共に、血管反応系、分子生物学検討系等の当科での解析状況を御説明し、大学院生、留学生を中心に実験成績の解釈、研究への取り組み方などを御教示頂いた。12日は翌日の研究発表会での発表内容をレビューし、必要な資料を用意した。さらに、イグナロ教授の元に当科から留学しており、一時帰国している角大悟研究員を交え、UCLAでの研究の状況を報告してもらい、今後の研究方向について研究討議した。13日は学科長を表敬訪問し、日米での研究状況の違い等を話し合われた。本事業終了後、名誉博士号を授与させて頂きたい旨をお話し、了承頂いた。 午後2時から大学院生を対象にした特別講義を医学系同窓会館である鶴友会館で行った(講演タイトル:“Role of Nitric Oxide in Cell Growth”添付資料2)。約50名が参加し、講演終了後には活発な討論がなされた。 講演後、老年科学教室血管内分泌研究室の研究発表会を開催し(添付資料3)、現在進行中の当該研究室での研究状況を報告した。今後の共同研究としての戦略等につき各講演毎に、熱心な質疑応答がかわされ、特に丁研究員発表の糖尿病におけるNOの動態に関しては早急に論文化する方向で議論された。14日には今後の研究計画につき、細かく御指導頂いた。夜は東海地区のNO研究者を対象に、NO学術講演会を開催した(講演タイトル:“Physiological Role of the Nitric Oxide Pathway in the Regulation of Cell Growth”. 添付資料3)。東海地区7大学医学部を中心に150人が参加し熱心な討論が行われた。15日は浜松に移動し、浜松医大主催で講演会が行われた(講演タイトル: “Nitric Oxide as a Unique Signaling Molecule in the Cardiovascular System”座長 市山 新浜松医大副学長).浜松医科大学を中心に浜松ホトニクス社など企業関係者も含めて約150人が参加し熱心な討論が行われた。夜は箱根に移動し(同行 浜松医大臨床薬理渡邊裕司助教授、名古屋大林)、渡邊、林の共同研究の投稿予定論文をレビュー頂き、研究の視点、方向性につきアドバイスを頂いた。17日は筑波大学を訪問し、18日に帰国された。

招へい研究者の受入機関に対する寄与
 大学院特別講義では、“Role of Nitric Oxide in Cell Growth”として、98年ノーベル賞受賞後にIgnarro研究室で行われた最新の研究成果を御報告頂き、聴衆の大学院生には深い感銘を与えるものであった。NOを介しcGMP非依存性の細胞増殖抑制機構と言う新しい概念は、本邦で始めて講演され、大変興味深く、質問が尽きなかった。
 老年科学教室血管内分泌研究室員を対象に行われた、研究発表会は発表者のみならず約10名の研究室員全体に大きな刺激となり、改めて、ノーベル賞受賞教室との共同研究の意義が理解され今後のさらなる発展が期待された。
 14日のNO学術講演会(講演タイトル:“Physiological Role of the Nitric Oxide Pathway in the Regulation of Cell Growth”.)は本招聘事業を開始するにあたって、その恩恵を名古屋大学だけでなく東海地区の関連研究発展に寄与する目的で開催されたもので、講演終了後も各大学の研究者から長時間にわたって活発な議論がなされた。15日の浜松医大主催講演会(講演タイトル:“Nitric Oxide as a Unique Signaling Molecule in the Cardiovascular System”座長 市山 新浜松医大副学長)は、浜松市で始めてのノーベル医学生理学賞受賞者の講演とあって、事務局の臨床薬理学渡邊助教授始め多くの先生方の極め細やかな暖かい雰囲気の講演会となった。3年間にわたる事業の初年度と言う事で緊張感溢れる運営状況であったが、若手研究者がイグナロ教授から受けた刺激の大きさは筆舌に尽くし難いもので、いくつかの共同研究の成果としての論文投稿と共に、本事業の大きな成果と考えられた。

その他
 Ignarro教授は、日本の文化に対しても洞察が深い。今回の訪問は短期間であったため、講演や研究打ち合わせのみに時間を費やされたのは残念であった。しかし、帰途立ち寄った、箱根成川美術館で特別展開催中の吉田多門画伯と偶然お会いする事ができ、スケッチの寄贈等を受けられたのは幸いであった。