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外国人著名研究者招へい担当
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外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

Anthony James Leggett

滞在中の日程
年月日 訪問先名称・訪問内容(研究討議・講演・視察等)
平成24年  
5月7日 来日
5月8日 東京大学大学院理学系研究科滞在スタート
5月9日 JST FIRST外村プロジェクト主催の国際会議“外村FIRST国際シンポジウム”に出席、講演
5月10日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」
5月11日 13:00~14:30 大学院集中講義「2次元の物理」
5月14日~
5月16日
香港中文大学に於いて国際会議 "Frontiers of Cold Atoms and Related Topics"出席、講演
注)当初の予定は5月13日~5月16日だったが、本人による予定変更のため香港渡航は5月14日~5月16日となった。
5月17日~
5月19日
名古屋大学に於いて、文科省新学術領域「対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象」主催の国際会議TQP2012に出席、基調講演
5月22日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」
5月24日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」
5月25日 13:00~14:30 大学院集中講義「2次元の物理」
5月29日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」
12:10~13:00 東京大学物性研究所の家泰弘所長と意見交換
5月31日 110:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」
12:15~13:30 物理学専攻教員5名との懇談会
15:00~16:00 駐日英国大使館にSir David WARRENを表敬訪問
6月1日 13:00~14:30 大学院集中講義「2次元の物理」(Interactive lecture)
16:30~18:00物理学教室コロキウムにて講演
6月4日 10:00~13:00 大阪市立大学理学研究科の石川修六教授と超流動ヘリウム3に関する研究討論
6月5日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」(Interactive lecture)
6月6日 10:00〜16:00ペンシルベニア州立大学物理学科のYin LIU教授との研究討論
6月7日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」(Interactive lecture)
14:30~17:00物性セミナー参加と理化学研究所の池上博士及び河野博士と研究討論
6月8日 13:00~14:30 大学院集中講義「2次元の物理」(Interactive lecture)
6月11日 9:00~17:50 理化学研究所に於いて東大−慶応−理研ジョイント国際ワークショップ「Supersolidity in Nature」に出席、講演
6月12日 10:30~12:00 大学院集中講義「2次元の物理」(Interactive lecture)
6月14日 離日

受入実施の状況とその成果

●受入体制:

国際化戦略室(バイリンガル秘書業務、広報(レゲット教授招へい事業特設ページおよび集中 講義ポスターの作成)、翻訳、通訳、学振提出書類の作成)
研究支援・外部資金チーム(日本学術振興会との事務連絡および会計全般)
情報システムチーム(講義ビデオの収録等)
物理学専攻事務室・教務事務室(集中講義関連の事務等)

●主な活動

<大学院集中講義 >

• 授業科目名:
    物理学特別講義AII 「2次元の物理

• 開講所属: 理学系研究科物理学専攻集中講義(2単位)

• 講師: Sir Anthony James Leggett教授
         (米国イリノイ大学アーバナ・シャンペン校)

• 開講日: 5月10日(木)~6月12日(火)
         前半8回(レゲット教授による講義)
         後半5回(学生によるプレゼン&質疑応答)

• 講義の特徴及び成果:
  前年度とは異なる題目に関して英語で計13回の集中講義を行った。前半8回はレゲット教授による通常講義で、後半5回分の講義は学生によるプレゼンテーションを教材とし、活発な質疑応答や議論を行うインタラクティブ・レクチャーである。学生プレゼンテーションは主に博士課程の学生によって行われたが、自身の研究テーマがそのまま教材となってノーベル賞学者から直接指導を受けられるという、得難い教育機会であり、海外での研究プレゼンテーションの実践練習ともなった。通常講義の資料作成補助(TEX入力および資料収集)と講義資料や講義ノートを元にした講義録の編纂作業を5名の学生に委託し、レゲット教授とのより緊密な交流によってさらなる教育効果が上がった。今後の編集作業を経て、この講義録は専門誌「物性研究」と本研究科ホームページに掲載する予定である。また、講義風景をビデオ撮影し、その補助業務も学生アルバイトに委託した。この講義ビデオを東京大学ビデオ講義アーカイブであるUT Open Course Wareに掲載することで、国内外のどこからでも集中講義の内容を共有できるようにする予定である。この他、レゲット教授の専用居室を準備して、講義時間以外にも学生が自由に質問できる環境を整えた。

<集中講義以外の活動>

 今年度、レゲット教授は次に記載する数々の国際会議、コロキウム、セミナーに出席して、講演及び研究討論を行った。これにより、同教授という世界トップレベルの研究者と我が国の研究者との間に膨大な質・量の研究交流がなされ、レゲット教授から有益な助言も多数得られたことで、我が国の物理学分野の進展に非常に大きな寄与があった。

  • JST−FIRST外村プロジェクト主催の国際会議 “外村FIRST国際シンポジウム” 出席と講演。(5月9日)
    講演題目:"Majorana Fermions and Their Possible Occurrence on Half-Quantum Vortices in Helium-3 and Strontium Ruthenate"
  • 名古屋大学に於ける国際会議TQP2012 (International conference on topological quantum phenomena)出席と講演。(5月17日~19日)
    講演題目:”Some Remarks about Majorana Fermions and Their Use in Topological Quantum Computing”
  • 東京大学物性研究所の家所長と学術行政全般にわたる意見交換。(5月29日)
  • 専門分野の近い物理学教室教員5名と懇談会。(5月31日)
  • 英国大使館表敬訪問(5月31日)
    ディビッド・ウォレン大使はじめ英国大使館科学技術部関係者と2013年開催予定の東大・英国大使館共催の一般市民向け公開講演会開催の可能性について話し合った(テーマは量子計算(Quantum Computation)の予定)。
  • 物理学教室コロキウムでの講演と研究討論。(6月1日)
    講演題目:“Testing the limits of quantum mechanics: motivation, state of play, prospects”
  • 大阪市立大学の石川修六教授と超流動ヘリウム3に関する研究討論。(6月4日)
  • ペンシルベニア州立大学のYin LIU教授と異方的超伝導に関する研究討論。(6月6日)
  • 物性セミナー“Probing chirality of superfluid 3He-A”出席と、理化学研究所の池上博士及び河野博士との研究討論。(6月7日)
  • 理化学研究所に於ける東大−慶応−理研ジョイント国際ワークショップ「Supersolidity in Nature」での出席と講演。(6月11日)
    講演題目:“Rotational properties of quantum systems: general theoretical constraints”

<招へい事業の広報>

  • 理学部ホームページ(日・英)に事業内容を掲載
  • 東京大学大学院理学系研究科・理学部 レゲット教授招へい事業特設ページ(日本語)
    http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/event/leggett/index.html
    東京大学大学院理学系研究科・理学部 レゲット教授招へい事業特設ページ(英語)
    http://www.s.u-tokyo.ac.jp/en/event/leggett/  
  • 集中講義をビデオ撮影し、講義ノートと共に東京大学UT Open Course Wareに順次掲載
  • 集中講義ポスターの作成と配布
  • 講義録の編纂と出版(「物性研究」誌に掲載予定)

招へい研究者の受入機関に対する寄与
(若手研究者への刺激,受入機関全体の国際化など)

  1. 物性物理学分野の世界的権威であるレゲット教授による大学院集中講義を開講することで、東京大学の大学院生に世界トップレベルの専門教育を提供することができた。日本にいながらにしてこのような専門教育を受けられたことで、学生は国際的な感覚を養えただけでなく、自身の研究についてヒントを得ることができた。また、滞在期間中、集中講義以外の時間にもレゲット教授に自由に質問ができる環境であったため、同教授から個人的な指導を受けることもできた。本プログラムを通して、本学の行動シナリオの一環であるグローバルキャンパス化に大きく寄与することができた。
  2. 本年は学生との交流のみならず、学内・外の多数の研究者とのセミナーや研究討議を積極的に行った。これにより東京大学の研究レベルの向上に貢献し、若手研究者に物性物理学分野の最新情報や有益な刺激を提供することができた。
  3. 講義ノートを編纂・出版し、講義資料や講義ビデオをウェブで公開することで東京大学全体の国際化に貢献した。

その他

今年度の受入事業も実り多い結果を残し無事に終了した。前年度に続き、レゲット教授から「東京大学被災学生支援等義援金」として200,000円のご寄附をいただいたことを付記する。