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外国人著名研究者招へい担当
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外国人著名研究者招へい事業

研究活動報告

外国人著名研究者招へい事業報告書

Anthony James Leggett

滞在中の日程
年月日 訪問先名称・訪問内容(研究討議・講演・視察等)
平成23年  
5月7日 来日
5月13日 成田着
5月16日~
6月10日
東京大学大学院理学系研究科滞在
大学院集中講義「エキゾティック超伝導」
全15コマ2単位: 5月17、19、20、24、26、27、31日、6月2、3、7、9、10日の1限(8:30~10:00)および6月9日の3限(13:00〜14:30)および5月26日、6月2日の4限(14:45〜16:15)
5月23日 17:15~ 東大理学部教職員学生交歓会 出席および挨拶
5月27日 16:00~17:30 東京大学新聞による取材
6月1日 18:30~ 研究懇談会:
       東大物理学専攻教員10名との研究情報交換及び助言をいただくため
6月10日 16:30~18:00 東大理学部広報室による取材
            (理学系大学院生とのインタビュー)
6月9日 15:30~16:30 日本学術振興会理事長表敬訪問
6月11日 成田発、帰国

受入実施の状況とその成果

●受入体制:

理学系研究科・国際化戦略室(バイリンガル秘書業務、通訳・翻訳等)、学務課(集中講義)、経理課(事業費受入、経理)、研究支援・外部資金チーム(学振、大学本部との事務連絡)、広報室(HP、ポスター、インタビュー等)、情報システムチーム(講義ビデオ撮影、HP)

●主な活動

<大学院集中講義 >

• 授業科目名:
        物理学特別講義AXIV Special Topics in Physics AXIV
        http://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/curriculum/H23shuchu-list_010.htm

• 開講所属: 理学系研究科物理学専攻集中講義(2単位)

• 講師: Sir Anthony James Leggett教授
         (米国イリノイ大学アーバナ・シャンペン校)

• 開講日: 5月17日(火)~6月10日(金) の間の15コマ(1コマ90分)

• 講義の特徴及び成果:

 英語のみで講義を行い、週1回は学生による研究発表を教材としてレゲット教授と他の学生との質疑応答を行うInteractive lectureの形で行った。講義以外の時間にも学生が自由にレゲット教授の居室を訪問し質問できる環境を整備した。
  複数の学生が講義ノートを元にした講義録を編纂し、これを専門誌に出版することで、国内外の学生や研究者が集中講義の内容を教科書体で勉学できるようにした。また、講義内容はUTオープン・コース・ウェア(東京大学のビデオ講義アーカイブ)に収録し、広く国内外の学生や研究者がこの集中講義の内容を視聴できるようにした。
  講義資料の作成補助、上記講義録の編纂・出版、講義のビデオ撮影補助などの作業を学生アルバイトとして委託し、できるだけ大学院学生がレゲット教授と日常的に打ち合わせや研究討論できる環境を用意し、さらなる教育効果が上がった。
  朝8:30からの講義時間であったが、常時30-40名の学生が聴講し、活発な質疑応答が交わされた。他研究科(工学系3名)、他専攻(化学専攻2名)からの履修生もあった。

<集中講義以外の活動>

  • 理学部教職員学生交歓会に参加し、学部学生も含めて広く理学部・理学系研究科内の学生・教職員と交流した。(5月23日)
  • 東京大学新聞による取材 (5月27日)
     『37年前にも東大で教えた経験があるが、当時の学生と比べると今の学生の方が英語力が高いせいか、より積極的でレベルの高い質問を受けており、 彼らとのインタラクションを非常に楽しんでいる。』(レゲット教授談)
  • 物理学専攻教員10名との研究懇談会(6月1日)  低温物理学や物性物理学に関する世界の研究動向を討議するとともに、物理学教室における教育や研究の現状について意見交換や助言を得ることができた。
  • 理学系研究科大学院生によるインタビュー (6月8日)
  • 日本学術振興会理事長表敬訪問 (6月9日)

<招へい事業の広報>

  • 理学部ホームページ(日・英)に事業内容を掲載
    集中講義の告知、特設ページ設置 (講義ノート、新聞取材、講義ビデオ等を掲載
  • 全講義をビデオ撮影し、東京大学UT Open Course Ware に掲載(iTuneにて視聴可)
  • ポスター作成と配布
  • 講義録の編纂と出版
     東京大学大学院理学系研究科・理学部(日本語HP)レゲット教授招へい事業特設ページ
     http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/event/leggett/index.html
     東京大学大学院理学系研究科・理学部(英語HP)レゲット教授招へい事業特設ページ
     http://www.s.u-tokyo.ac.jp/en/event/leggett/index.html

招へい研究者の受入機関に対する寄与
(若手研究者への刺激,受入機関全体の国際化など)

(1) 物性物理学の分野の世界的権威で現在も第一線で研究・教育に携わっているレゲット教授が大学院集中講義を開講することで、東京大学の学生に対して日本にいながらにして高度な専門教育を施すことができた。さらに、学生による研究発表を教材としたインタラクティブ・セッションでは、学生に自身の研究内容をより深く理解させ、英語による研究プレゼンテーションの絶好の実習機会を与えることになり、東京大学の国際化に著しく貢献することができた。

(2) 1ヶ月というまとまった滞在期間と専用臨時教員室を確保したことで、学生・若手研究者・教員がレゲット教授と日常的に研究討論することができ、多くの貴重な研究助言を得ることができ、東京大学における関連分野の研究の高度化が進んだ。また、レゲット教授を通じた東京大学の研究活動の海外発信の強化もできた。

(3) よく整備された講義録を編纂・出版したり(本年8月投稿予定)、ビデオ講義録を公開したことで、東京大学の高等教育機関としての国際的評価を高めることができた。

その他

今年度の受入事業は上記のように大きな成功を収めたが、一方で、本招へい事業採択の連絡を受けた直前に勃発した東日本大震災後の影響で、受入研究者をはじめ受入側が学内対応に忙殺され、学生アルバイトの具体的な作業内容の確定が遅れるなど、受入体制の構築に一部遅滞が生じてしまった。しかし、来年度以降については、すでに詳細な事業内容の検討も進んでおり、万全の体制で臨むことができる。
  最後に、大震災直後のこの時期に予定通り来日し、身をもって我が国の学生や研究者を激励下さったレゲット教授に深く感謝したい。同教授は東京大学の募る「東京大学被災学生支援等義援金」に211,000円の寄付をされたことを付記します。