お問い合わせ先

独立行政法人 日本学術振興会
国際事業部 研究協力第一課
〒102-0083
東京都千代田区麹町5-3-1
TEL03-3263-1826
FAX03-3234-3700
MAIL

アジア学術セミナー

実施状況(過去の実施)

平成15年度アジア学術セミナー実施報告書概要

JASS'03遠隔教育を支える情報技術のアジア地域における展開

セミナー名 (和文)JASS'03遠隔教育を支える情報技術のアジア地域における展開
(英文)The Development of Information Technology Supporting Distance-Education in Asia
セミナーの目的 セミナーにおいては,ITを使った様々な教育法を学び,参加者各人が実際にITを使用した教材作りを経験し,自国をはじめアジア地域の教育の現場に貢献できる人材を育成する。
また,他国で盛んに行われているE-ラーニングの手法を自国にあった形に適応させるなどの,研究を進めることが出来る力を身に付ける機会を提供する。
開催期間 平成15年11月18日 ~ 平成15年11月26日 9日間
  Morning Session Afternoon Session  
Tuesday,
November
18th
Opening Address
- Tokyo Institute of Technology, Japan
- Japan Society for the Promotion of Science, Japan

Higher education and its Globalization
- Tokyo Institute of Technology, Japan
Virtual Learning and Universities of the Future: The Role of International Collaboration
- Thai Academy of Science and Technology, Thailand

Current Trends in Japanese Education, IT, and E-learning
- National Institute of Multimedia Education, Japan

Introduction of Asian E-learning Collaborative Projects
- Research Center for Policy Studies, National Graduate Institute for Policy Studies, Japan

IT-based Education in TUT, ICCEED and AUN/SEED-Net
Toyohashi Institute of Technology, Japan
Welcome Reception
Wednesday,
November
19th
Study Visit to National Institute of Multimedia Education(NIME)

Introduction to Research and Development at NIME
- National Institute of Multimedia Education, Japan

exCampus: an Open Source e-Learning System for Higher Education
- National Institute of Multimedia Education, Japan
Study Visit to National Institute of Multimedia Education(NIME)

Visit to Each Lab.
- National Institute of Multimedia Education, Japan

Software Tools and Services for Multimedia Education
- National Institute of Multimedia Education, Japan

Learning Object Repository
- National Institute of Multimedia Education, Japan
 
Thursday,
November
20th
Virtual Universities in Korea: Current Trends and Future Prospects
- Ewha Women's University, Korea

Initiatives to Improve Quality of Higher Education through Distance Learning (E-learning) in Indonesia
- Institute of Technology, Bandung, Indonesia
IT-enhanced Human Networking: Some Experiences from SUN/ SEED-Net
- Chulalongkorn University, Thailand

Performance of D-Education and Research in the Singapore-MIT Alliance
- Singapore-MIT Alliance, Singapore

Development of e-learning Tools in Engineering Education - The De la Salle University Experience
- De la Salle University, Philippines
 
Friday,
November
21st
An Internet-based Teaching and Learning System for Higher Education
- Hong Kong University of Science and Technology, Hong Kong

e-learning: AIT-Tokyo Tech collaboration, Experiences and Feedback
- Asian Institute of Technology, Thailand
Signal Processing for Multimedia
- Tokyo Institute of Technology, Japan

Advanced Information Storage for Research and Educational Contents
- Tokyo Institute of Technology, Japan

E-learning Platform designs to promote Student-centered Collaborative Learning and Teaching
- Hong Kong University, Hong Kong
 
Saturday,
November
22nd
Workshop Free Day/Field Trip  
Sunday,
November
23rd
Holiday
Monday,
November
24th
Free Day
Tuesday,
November
25th
Workshop Workshop  
Wednesday,
November
26th
Workshop/Presentation Workshop/Presentation Farewell Reception

11月18日(火) 歓迎レセプション
22日(土) 日本文化ツアー(屋形船による東京港見学)
26日(水) フェアウェルレセプション

開催地(会場) ・東京都目黒区(東京工業大学)
・千葉県千葉市美浜区(メディア教育開発センター,11月19日)
セミナー責任者 所属機関・職: 東京工業大学・工学部長・教授
氏名: 三木 千壽

[参加者・内容について]
参加者について

(1)参加者数

  講師数 受講者数 合 計
日本からの参加者 13 8 21
外国からの参加者 9 14 23
合計 22 22 44

(2)講師について

  1. 講師の選出方法
    企画準備会における協議により,講師候補者の選出を行い,本人から参加の承諾を得た。また,参加の承諾を得ることが不可能であった場合には,その候補者から他の適任者を推薦願った。
  2. 講師リスト
    講師としての正参加者・計22名
    職名 所属機関 国名 備考
    (日本側講師)          
    三木 千壽 工学部長 東京工業大学工学部 日本  
    西原 明法 教授 東京工業大学教育工学開発センター 日本  
    横田 治夫 教授 東京工業大学学術国際情報センター 日本  
    坂元 所長 メディア教育開発センター 日本  
    西野 文雄 教授 政策研究大学院大学 日本  
    和男 教授 豊橋技術科学大学 日本  
    近藤 喜美夫 教授 メディア教育開発センター 日本  
    大澤 範高 教授 メディア教育開発センター 日本  
    山田 恒夫 教授 メディア教育開発センター 日本  
    太田 好彦 助教授 メディア教育開発センター 日本  
    鈴木 一史 助手 メディア教育開発センター 日本  
    中原 助手 メディア教育開発センター 日本  
    西森 年寿 助手 メディア教育開発センター 日本  
               
    (外国側講師)          
    Yuthavong Yongyuth President, Senior Researcher National Centre for Genetic Engineering and Biotechnology タイ  
    Lukkunaprasit Panitan Professor Chulalongkorn University タイ  
    Afzulpurkar Nitin Associate Professor Asian Institute of Technology タイ  
    Gallardo Susan M. Research Faculty and Professor De La Salle University フィリッピン  
    Chua Soo-Jin Professor National University of Singapore シンガポール  
    Ahmad Intan Associate Professor Information Resouce Center-Institut Teknologi Bandung インドネシア  
    Pong Ting-Chuen Professor Hong Kong University of Science and Technology 香港  
    Kim Youngsoo Professor Ewha Womans University 韓国  
    Law Nancy Associate Professor University of Hong Kong 香港  
  3. 受講者リスト
    受講者としての正参加者・計22名
    職名 所属機関 国名 備考
    (日本側講師)          
    田邊 篤志 大学院生 東京工業大学理工学研究科 日本  
    羽田 克之 大学院生 東京工業大学理工学研究科 日本  
    菅沼 久忠 大学院生 東京工業大学理工学研究科 日本  
    井出 一郎 産官学連携研究員 東京工業大学理工学研究科 日本  
    Baccay Melito 大学院生 東京工業大学理工学研究科 フィリッピン  
    Rattanasuwannachart Narongsak 大学院生 東京工業大学理工学研究科 タイ  
    Wenxin Liang 大学院生 東京工業大学理工学研究科 中国  
    Le Chau Anh 大学院生 東京工業大学理工学研究科 ベトナム  
               
    (外国側受講者)          
    Abduh Muhamad Assistant Professor Institute Technology of Bandung インドネシア  
    Seo Choon-kyo Graduate Student Korea Advanced Institute of Science and Technology 韓国  
    Tan Raymond Associate Professor De La Salle University フィリッピン  
    Seva Rosemary Assistant Professor De La Salle University フィリッピン  
    Mulyono Panut Researcher Gadjah Mada University インドネシア  
    Lertwatechakul Mayuree Lecturer King Mongkut's Institute of Technology Ladkrabang タイ  
    Muangsin Veera Lecturer Chulalongkorn University タイ  
    Ruenwongsa Pintip Associate Professor Faculty of Science, Mohidol University タイ  
    Koo Ki-young Graduate Student Korea Advanced Institute of Science and Technology 韓国  
    Lee Jong Soon Researcher Hanyang University 韓国  
    Kalaw Martin Ernesto L. Assistant Professor De La Salle University フィリッピン  
    Sriborrirux Wiroon Lecturer Burapha University タイ  
    Beng Soh Chew Graduate Student National University of Singapore シンガポール  
    Novitrian M.Si Lecturer Institute Technology of Bandung インドネシア  

セミナーの内容について

(1)セミナーはどういう考え方で内容の構成・企画をしましたか。
アジア圏の急速に工業化が進みつつある国々では理工系の高等教育の必要性が高まり,大学院の整備を進 めている。しかし,各分野の高度な科学技術の講義を行う教官をそれぞれの大学が確保することは困難 であるので,ITを利用した遠隔教育やメディアを利用した学習が期待されている。 本学が,今後アジアにおいて遠隔教育を用いた理工系の高等教育の中心となるためにも,当分野におけるセミナーを開催することは有意義であると考え,招へい講師にアジア各国の遠隔教育の先駆者といえる方々を選出し,講義等を中心にセミナーの構成を企画した。

(2)学問的な観点からの成果はどのようにとらえられますか。具体的に成果をお書きください。
急速に発展し続けている高等教育の分野では,ITを利用した遠隔教育やメディアを利用した学習が期されている。遠隔教育を効果的に行うためには,同期型,非同期型の教育手法を各国の事情にあった形で組み合わせることが重要であり,E-ラーニングのあり方もさまざまな方法を形成することが必要である。このような現状の中,セミナー前半はアジア諸国のIT教育分野を代表する大学等からの講師による講義を中心にすすめられた。
日本人の受講者も含め,アジア各国からの受講者はITを駆使した教育における最新情報,プログラムに触れることができた。 また,セミナーの初日からE-ラーニングの発展・意義について,大変活発な意見がセミナー出席者の間で交わされた。セミナーの中間で議論の整理を行った時点では,各国からの受講者も各自の意見を発表し,ワークショップグループ内で意見を詰めていくなど,予想以上の活発な議論が交わされた。このようなタイムリーな分野におけるアジア各国の若手研究者による意見の交換は,今後のアジアにおけるE-ラーニングの在り方に大きく貢献するものであると確信する。

(3)国際交流及び若手研究者養成の観点からはどのような成果があったと思われますか。
受講者は,主体的にセミナーに参加しており,それはグループワークショップにもよく反映されており,ワークショップを通じ,実践的な国際共同研究についての案が作成された。
日本の高等教育機関において,アジアの若手研究者を中心にITを利用した教育法に関する実践的なセミナーを開催する事は,当分野におけるわが国のプレゼンスを強化しただけでなく,上記のように活発な意見交換の場を提供する事によって,今後の日本の高等教育機関とアジア圏のE-ラーニング分野での更なる国際共同研究・プロジェクトの発掘・発展において有意義であった。

今回の受講者に今後期待する活躍は具体的にはどういうことが考えられますか

今回の受講者は,招へい国のトップクラスの理工系大学院または理工系研究機関に属する若手研究者が中心で,ITを駆使した(国際共同)教育プロジェクトやメディアを活用した教育法の開発に携わっている者が中心であった。セミナー終了時に本学が行ったセミナー評価では,他国で盛んに使用されているE‐ラーニングの方法を自国にあった形に適応させ,研究を進めたいとの意見も多く聞かれたため,今回のセミナーでの経験が今後の実践の場で生かされることが期待される。

セミナーの運営体制、方法はどうでしたか。今後同種のセミナーを開催するとした場合に、改善する点があったら具体的に記載してください。

本学では,開催責任者である相澤学長のもと,三木工学部長が組織委員長となり全学的な組織委員会を立ち上げ,組織委員会の下に企画準備委員会を設置し,この委員会を中心に運営を進めた。
受講者からは,10日間のセミナーは長いとのフィードバックが目立った。特にアジアのトップクラスの理工系大学・研究所からの若手研究者が招へいの中心であったため,責任ある仕事から10日間以上(移動 日を含めて)離れてのセミナーは長く感じられたようである。これは,日本の受講者にも言えることで,大学院博士課程の学生等が学期中連続して10日間研究室を離れることは,非常に困難なことであったように 思われる。

その他、成果として特記すべき事項があればお書きください。

講師として招へいした方々が,アジア各国の遠隔教育及びE-ラーニングにおける先駆者であったため,自国の現状のみならず,東南アジア全体の同分野での傾向が明確になったとの評価を受けた。
また,多様なバックグランドを持つ講師の方々とのコミュニケーションが,今後の研究に積極的に活用でき るとの意見が聞かれた。

[参加者の感想等について]

講師の感想、意見にはどのようなものがありましたか。

受講者を対象とした,本学が行ったセミナーの評価アンケートの結果と同様に,講師の方々からも講義の多様性及び質が高かったとの評価を受けている。また,アジア各国のE-ラーニング専門家間での,今後の ネットワークの構築にも貢献できるとの意見が聞かれた。

受講者からのアンケート・評価は実施しましたか。実施した場合は、その結果をお知らせください。

アンケートを実施した。
対象:受講者全員
日時:アジア学術セミナー最終日

結果内容

(1)招聘講師の講義について:
招聘講師による講義については,全体的に高い評価を得た。受講生は各講義について,5スケール(5:very good,1:very poor)で点数を配点した。図表からみられる様に,最高4.7から3.5までの評価がなされた。平均値は,4以上(good)と大変安定した評価が見られる。全体的に「韓国におけるバーチャル大学のありかた」(韓国梨花女子大学教授),「学習者中心のe-ラーニングプラットフォームデザイン」(香港大学教授),「シンガポール・MITアライアンスにおける遠隔教育について」(シンガポール国立大学教授)など具体的な事例および,「高等教育のグローバリゼーション」(東京工業大学),「アジアにおけるe-ラーニング分野の協働」(政策大学院大学),「科学技術発展におけるバーチャルラーニングの重要性」(タイ国工学・バイオテクノロジーセンター所長)など,国際協働,政策面からみた遠隔教育のありかたに焦点を当てた講義が高く評価された。

(2)講義セッション,ワークショップについて:
前半の講義セッションについて,各セッションの議長によるすすめ方(modulation)は大変高い評価を得た。また,招聘講師の多様性および講義内容の妥当性に関しても評価は高い(すべて4以上)。各講義の長さ(初日の基調講演各一時間、2日目以降のセッション45分)については,コメントなどから,少々長かったと言う意見が比較的多かったように思われる。 また,後半のワークショップに関しては,各グループを担当した学内講師(東工大から選出された講師)の参加度,および,2名のモデレーターによるワークショップセッションの進め方に対して高い評価を得た。更に,アジア各国から集まった受講生の質も満足いくものであったと思われる。セミナー全体のテーマ,セミナー会場の質に関しても4以上(good)の評価を得ている。セミナー全体の長さに関しては,他の項目と比べ比較的低い評価を得ているが,コメントなどからは全体的に少々長いと言う意見がみられた。

(3)セミナーから得た成果:
セミナーを通じて得た成果は,アジアにおける現在の遠隔教育分野における傾向,およびe-ラーニングの手法に関して学んだという意見が多かった(50%)。また,遠隔教育を促進していく際の文化的,社会的背景の多様性に対する意識の重要性について学んだ(35%)というフィードバックも顕著であった。更に,遠隔教育における教育法が困難な点および今後直面するであろう問題点について,学んだと言う声も多く聞かれた(15%)。

(4)セミナーに対する短所、その他の意見:
セミナー全体が,比較的長かったという点が指摘された(30%)。やはり受講生が,各国の若手研究者対象で,研究・教育と大変忙しい立場に置かれている参加者が多かったように思われる。また,ロジスティックスの面では,宿泊(学外)に関する不便さ等の不満などがコメントとしてあげられた。また,セミナー前の参加者とオーガナイザーとのコミュニケーションを,もっと密に行うべきだとのコメントもあった。

アンケート結果は次のとおり。

[本事業に対する意見等]

本事業についての評価、意見をお願いします。
応募時期、開催決定通知の時期、提供する資金額、運営方法などについて、意見をお願いします。また、具体的な改善案がありましたら御提案ください。

海外からセミナー講師を招へいする際に,講師のランクによってはエコノミークラスでの航空運賃での招へいでは,不都合が生じることがあると思われるので,運賃等について考慮できるように配慮願いたい。

[その他]

全体を通じてセミナー実施者の感想や特記事項をお書きください。

初日において,日本学術振興会の伊賀理事に参加いただいたことは,受講者がセミナーの開催意義等につ いて理解をする上で有意義なことであったと考える。
10日間集中的にセミナーを開催することで,この分野での参加各国の若手研究員,大学院博士課程の学生,教官間の交流が深まった。日本と海外で実際に行われている講義配信プロジェクトなどについての講義や,ウェッブベース学習のための教材作成などを行ったワークショップを通して科学技術の相互理解を深め,国際的な人材交流を促進すると同時に,参加した日本人の若手研究者にも国際的経験の場を与えることが出来た。