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アジア学術セミナー

実施状況(過去の実施)

平成14年度アジア学術セミナー実施報告書概要

アジアにおける鉱物粒子(黄砂粒子)の生物地球化学循環と地球環境

1.セミナー名
(和文) アジアにおける鉱物粒子(黄砂粒子)の生物地球化学循環と地球環境
(英文) Biogeochemical Cycles of Mineral Particles (KOSA particles) in Asia and Global Environment
2.開催期間

平成 14年 11月 10日 ~ 平成14年 11月 20日 11日間

3.開催地(会場)
  • セミナー:愛知県産業貿易館(名古屋市中区)
  • 実習:名古屋大学大学院環境学研究科(名古屋市千種区)
  • 開講式、閉講式:名古屋ガーデンパレス(名古屋市中区)
  • 見学:南極観測船ふじ(名古屋市港区)、島津製作所(京都市)
  • ワークショップ参加:名古屋港ポートビル(名古屋市港区)
4.開催責任者
所属機関・職: 名古屋大学大学院環境学研究科・教授
氏名: 岩坂 泰信
5.参加受講者数
日本側 7人
その他の国 27人
34人
6.セミナー参加者

(1) 日本側正参加者・計19

氏名 職名 所属機関 区分
岩坂泰信
甲斐憲次
村山利幸
鵜野伊津志
早坂忠裕
笠原三紀夫
柴田 隆
中島暎至
張 代洲
大谷吉生
三上正男
後藤和夫

浜田智志
金潤爽
Dmitriy Trochkine
松木 篤
Saipul Hamdi
山田 丸
長谷徹志
教授
教授
助教授
教授
教授
教授
助教授
教授
助教授
教授
室長
教務補佐員

4年
博士課程後期3年
博士課程後期3年
博士課程後期1年
博士課程前期2年
博士課程前期2年
博士課程前期2年
名古屋大学大学院環境学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
東京商船大学商船学部
九州大学応用力学研究所
国立総合地球環境学研究所
京都大学大学院エネルギー科学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
東京大学気候システム研究所
熊本県立大学環境共生学部
金沢大学工学部
気象研究所環境応用気象研究部
京都大学大学院エネルギー科学研究科

熊本県立大学環境共生学部環境共生学科
名古屋大学大学院理学研究科
名古屋大学大学院理学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師
講師

受講者
受講者
受講者
受講者
受講者
受講者
受講者

(2) 日本以外からの正参加者・計32

職名 所属機関 国名
(講師)
Shi
Zhang
Kim
Kim
Chan

(受講者)
Cheng
Chen
Liu
Wang
Wang
Zhao
Choi
Pathak
Lee
Hong
Jung
Noh
Kim
Bae
Ariunbold
Munkhtsetseg
Bangsal
Bagtasa
Dela Cruz
Chang
Lim
Chaichanawong
Sae-lim
Bui
Le
Nguyen
Nguyen

Guang-Yu
Xiao-Ye
Yoon Shin
Young Jun
Chak K.


Yan
Bin
Yuzhi
Hong
Yaqiang
Jinhui
Man Yee
Ravikant
Cheol-Min
Chun-Sang
Kyung-Hoon
Young Min
Na-Kyung
Soo-Ya
Amgalan
Erdenebayar
Eric
Gerry
Mannelyn
Chew Wai
Agnes
Jintawat
Weeraya
Chien
Duan
Ngoc
Hai

Prof.
Prof.
Prof.
Prof.
AssociateProf.


Staff
Assistant Prof
Assistant Prof.
Assistant Prof
Dr.
Dr.
Dr.
Dr.
Graduate Student
Graduate Student
Researcher
Graduate Student
Graduate Student
Graduate Student
Researcher
Researcher
Dr.
Faculty Member
Lecturer
Researcher
Researcher
Graduate Student
Graduate Student
Researcher
Researcher
Researcher
Researcher

Institute of Atmospheric Physics, Chinese Academy of Science
Institute of Earth Environment, Chinese Academy of Science
Hanyang Univresity
Kwangju Institute of Science and Technology
Hong Kong University of Science and Techno


Institute of Earth Environment, Chinese Academy of Science
Institute of Atmospheric Physics, Chinese Academy of Science
Institute of Atmospheric Physics, Chinese Academy of Science
Institute of Atmospheric Physics, Chinese Academy of Science
Institute of Earth Environment, Chinese Academy of Science
Institute of Earth Environment, Chinese Academy of Science
Hong Kong University of Science and Technology
Hong Kong University of Science and Technology
HanYang University
Kwanju Institute of Science and Technology
HanYang University
Kwanju Institute of Science and Technology
Ewha Women University
Ewha Women University
Mongolia State University of Agriculture
Institute of Meteorology and Hydrology
De La Salle University
De La Salle University
De La Salle University
National University of Singapore
National University of Singapore
Chulalongkorn University
Chulalongkorn University
Hanoi University of Science, Vietnam National University
Hanoi University of Science, Vietnam National University
Hanoi University of Science, Vietnam National University
Hanoi University of Science, Vietnam National University

China
China
Korea
Korea
China


China
China
China
China
China
China
China
China
Korea
Korea
Korea
Korea
Korea
Korea
Mongolia
Mongolia
Philippine
Philippine
Philippine
Singapore
Singapore
Thailand
Thailand
Vietnam
Vietnam
Vietnam
Vietnam
7.日程及び議題
  午前   午後 夕刻
9:00 10:00 11:00 12:00 12:30 13:30 14:30 15:30 16:30 17:00 17:40 18:30
11月10日(日) 登録
ガイダンス:
セミナー出席者への連絡
昼食 開講式
自己紹介:どんな研究をしてますか?
岩坂泰信:アジア学術セミナーを研究に生かす
歓迎会
11月11日(月) 岩坂泰信:黄砂のリモートセンシング 中島暎至:雲アジア太平洋域の雲とエアロゾル 昼食 セミナー
張代洲: 黄砂粒子の変質
セミナー
岩坂泰信:黄砂のリモートセンシング
 
11月12日(火) 張代洲:黄砂粒子の変質 早坂忠裕:総合地球環境学研究所における研究 昼食 セミナー
中島暎至:雲アジア太平洋域の雲とエアロゾル
セミナー
岩坂泰信:黄砂のリモートセンシング
実習:電子顕微鏡
11月13日(水) セミナー
大谷吉生:エアロゾルダイナミクス
甲斐憲次:中国砂漠地帯の黄砂観測 昼食 岩坂泰信:光散乱方式のエアロゾルカウンター セミナー
石廣玉: エアロゾルの放射強制力
実習:気球
11月14日(木) 柴田隆:ライダーで計測したパラメター 石廣玉:エアロゾルの放射強制力 昼食 セミナー
後藤和夫:人工衛星データから見たエアロゾル放射特性
セミナー
甲斐憲次:砂じんの舞い上がり/接地境界層の気象・気候
実習:ライダー
11月15日(金) 村山利幸:ライダーネットワーキングの成功 鵜野伊津志:計算機シュミレーションで見たアジアのエアロゾル 昼食 南極観測船「ふじ」見学  
11月16日(土) セミナー
金潤信: 室内空気と黄砂
セミナー
張小曳: エアロゾルの長距離輸送と物質循環
昼食 ワークショップ参加(名古屋港ポートビル)  
11月17日(日) 島津製作所見学  
11月18日(月) 笠原三紀夫:エアロゾル分析の新しい試み 金潤信:室内空気と黄砂 昼食 三上正男:国際協力による黄砂観測 陳澤強:エアロゾル化学のフロンティア 発表会の準備
11月19日(火) 金英俊:エアロゾルの長距離輸送と放射 張小曳:エアロゾルの長距離輸送と物質循環 昼食 陳澤強:よい発表とは 発表会1 発表会の準備
11月20日(水) 発表会2 発表会3 昼食 発表会4 ガイダンス:データの有効利用とアジアエアロゾル会議での発表、閉講式

*発表会は1人10分の持ち時間で行う。
*発表は海外からの参加者を優先:およそ30名
発表会1:15:30~17:00 10名
発表会2:09:00~10:30 10名
発表会3:11:00~12:30 10名
発表会4:13:30~14:00 4名

8.学問的成果

近年、黄砂に関する研究が世界的な関心を呼んでいる。一つは、黄砂と気候に関する研究である。気候変動に関する科学が発展し、砂漠地帯から巻き上がる砂粒子が大気中を浮遊することによって太陽放射を散乱させることが気候に影響を及ぼしているのではないかと考えられるようになったことが大きな原因である。この問題は、黄砂の発生地域と黄砂が拡散通過してゆく地域でとりわけ強い関心が持たれている。2番目の研究は、黄砂と都市大気汚染に関する問題である。黄砂粒子は地上数キロの上空を拡散しているが、時には地上近くまで濃度の高い黄砂が降りてくる。このような時には地表面付近の汚染大気との間で複雑な反応が生じ2次的な影響が発生する。この問題は、局所的な都市の汚染大気が広域に拡散する場合と似た過程がいくつも含まれており、多くの地域で関心が持たれている。3番目の研究は、黄砂が社会的な生活(人の健康も含む)に与える影響である。最近の強い黄砂は、大陸の都市部でさまざまな交通・通信被害をもたらし人の健康にも甚大な被害を与えたと考えられている。また、屋外のみならず屋内の空気の質も大きく変わるために工場や病院などの管理面においても強い関心がもたれている。類似の問題は、森林火災の影響などにも見られ研究手法や対策などについて多くの地域でまた広い分野で関心が持たれている。4番目の研究は、地球の砂漠化とその被害に関する研究である。砂漠化の進行は広い地域で見られておりアジアの西部あるいは北部では社会的にも大きな関心を呼んでいる。

このように、環境科学から見ると、黄砂は広い分野につながりがある。また、黄砂の調査方法は上空にあるものを観察することから、リモートセンシング技術、航空機や気球の利用技術などが動員されており、名古屋大学で使用されているこれらの技術は大気の新しい観測手法としても関心を集めている。

今回の学術セミナーを担当した講師陣は、自らの研究成果に基づいて受講者へ講義あるいはセミナー形式で黄砂にかかわる研究と今後の方向を示した。内容については、どの受講者も質の高い講義やセミナーを受けることができたと評価している。

名古屋大学キャンパスにおいて、夜間に行われた実習(電子顕微鏡による黄砂粒子の観察、ライダーによる上空に浮かんでいる黄砂の検出、気球観測の基礎)も大変好評で、新技術に対して若い研究者が極めて意欲的であることをうかがわせた。

本学術セミナーに参加した若手研究者は、何らかの形で明年開催されるアジアエアロゾル会議(2003年7月、香港)での研究発表に反映させることが要請されている。また、このような作業を通して、アジアのエアロゾル研究を組織的に行う素地をつくることも要請されている。

現在、世界エアロゾル会議に参加しているアジアの国は必ずしも多くなく研究者の組織化が進んでいない。世界の研究集団と組織的な交流を深めるにはそれぞれの国において研究者の組織がある程度すすんでいる必要がある。受講者のうちヴェトナム、フィリピン、モンゴルなどから参加した者は、そのような点でも活動することが期待され、講師として参加した内外の教授の間では、そのような活動を支援することが申し合わされている。

総じて、最新の知識や技術の伝授を通して、若手研究者の研究意欲を高めえたし、幾つかの国において学会あるいは研究会組織を作る基礎が出来た。今後、関係研究者の人的なつながりがさらに強化され、活発な大気研究や環境研究がアジアで展開されることが期待できよう。

9.関連行事
11/10(日) 開講式(名古屋ガーデンパレス)
来賓:
JICA中部国際センター所長
東洋学園理事
主な出席者:
日本学術振興会理事
名古屋大学総長
名古屋大学大学院環境学研究科長
歓迎レセプション
11/15(金) 南極観測船「ふじ」見学(名古屋市港区)
11/16(土) ワークショップ参加(名古屋港ポートビル)
11/17(日) 島津製作所見学(京都市)
11/20(水) 閉講式(名古屋ガーデンパレス)
主な出席者: 名古屋大学大学院環境学研究科長