サイエンス・ダイアログ

2014/2/26 平成25年度「サイエンス・ダイアログ」を実施しています。

「サイエンス・ダイアログ事業」はJSPSのフェローシップ制度により来日している、優秀な若手外国人研究者(JSPSフェロー)に有志を募り、近隣の高等学校等において、英語で研究に関するレクチャーを行う機会を提供するプログラムです。

地域の大学や研究機関で活躍しているJSPSフェローから、英語で研究の話を聞くという経験が、生徒達に大きな刺激を与え、研究への関心・国際理解を深めるだけでなく、JSPSフェロー自身にとっても、地域社会と交流し、日本とのつながりを深めることを狙いとしています。

実施をご希望の場合はホームページをご参照の上、参加申込書のご提出をお願いいたします。皆さまのご参加をお待ちしています。

■実施プログラム例の紹介

2月8日(土)京都府立山城高等学校 “Evolution of personality in wild Japanese monkeys”(講師:Dr. Coline Arnaud外国人特別研究員)

”Evolution of personality in wild Japanese monkeys”

平成26年2月8日 京都府立山城高等学校(講師:Dr. Coline Arnaud)

講義の様子

本会の外国人特別研究員Dr. Coline Arnaud(コリヌ・アルノ博士)が、京都府立山城高等学校文理総合科の1年生38名に向けて”Evolution of personality in wild Japanese monkeys”(野生ニホンザルの性格の進化)と題して講義を行った。

導入として、母国フランスの気候や自然、歴史的建造物、食、文化について紹介され、和やかなアイスブレイクとなった。特に文化については、bise(挨拶時の頬へのキス)を例にアルノ博士自身の専門分野である行動生態学の観点からユニークに説明された。

高校在学中に野生動物や自然に興味を持ち、大学院時代にカナダやドイツ、オーストリアで経験を積んだ後、フランスでPh.D.を取得し晴れて研究者となったアルノ博士は、2012年9月に日本学術振興会外国人特別研究員として来日した。現在は、京都大学野生動物研究センターにおいて様々な国籍の研究者と共に野生動物集団における性格の進化について研究している。

今回のサイエンス・ダイアログは、1952年に京都大学の研究グループが餌づけに成功して以来、個体識別法の導入など、我が国における野生サル研究の発祥の地であり、幸島サルの生息地として国の天然記念物に指定されている鹿児島県幸島のニホンザルがテーマ。サルの近くにゆで卵を置き、どのように行動するかを動画により観察した結果、探索の速さ(ゆでたまごに近づくまでの時間)と強さ(ゆでたまごを手に取り食べる様子)に関して違いが存在することが分かった。その他、ニホンザルの性格形成には、年齢や性別、天候、時間、餌やりの条件は影響を与えないが、親などからの遺伝や文化、自然選択、個々の経験、季節などの外部要因が重要なカギを握ることが判明している。

野生動物の行動や性格などの複雑な表現型について研究することを通じて、野生動物の管理と保全につなげていくことを目指しフランスからやってきた若き研究者。同じ研究室でイヌ科動物の行動と遺伝子の多様性について研究中で、今回同行者として参加し要所要所で補足説明を行った今野晃嗣 ・日本学術振興会特別研究員PD。90分という限られた時間ではあったが、彼らが発したメッセージが志を同じくするひとりでも多くの未来の研究者に届くことを期待したい。