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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

立命館アジア太平洋大学

日本とアジアのモノづくり
-液晶電卓の誕生から液晶テレビでの競争まで-

整理番号 HT3110

実施担当代表者

中田 行彦(なかた ゆきひこ)

立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋マネジメント学部 教授

開催日

平成19年 7月 21日(土)

開催会場

立命館アジア太平洋大学

住所:大分県別府市十文字原1-1

関連URL

 http://www.apu.ac.jp/home/modules/news/article.php?storyid=561 

実施の様子

実施の様子_写真1
解剖されたパソコン、携帯電話用液晶
 
実施の様子_写真2
世界初の液晶付き電卓(シャープ 1973年4月)
 
実施の様子_写真3
講師 中田行彦 教授
 
実施の様子_写真4
小グループによるセミナー風景
  • 1.はじめに

     携帯電話、デジカメ等のエレクトロニクス製品、環境にやさしい自動車等は、日本の技術によって作り出されています。これらの日本の技術力=モノづくりの力は世界に誇れるものです。
     これらの技術は、どのように研究され、どこで製品にされたのでしょうか?製品がどの様に市場に出され、皆さんの手に入るのでしょうか? 技術をいかにビジネスに結びつけるかという「技術経営」の観点から、知的好奇心に溢れる33人の高校生たちと、APUのアジアからの国際学生(留学生)6人、国内学生5人が一緒になって探ってみました。

  • 2.液晶解剖【講師】中田行彦

     オリエンテーションの後、図1に示すように、液晶を解剖し、液晶がどのように動作するのかを理解しました。

  • 3.ビデオケーススタディによるグループ討論・発表

     NHKの有名なテレビ放送「プロジェクトX」のうちの「液晶:執念の対決」は、図2に示す世界初の液晶付き電卓が、どのように研究・開発され商品化されたかについてまとめられています。
     このビデオを見て、「独創的な技術・商品の研究・開発に必要なものは何か?」について、APU学生を含めた小グループで討論しました。グループは、コミュニケーションの取り方を勉強するために、各高校、学年およびAPU学生の国籍を混ぜて構成しました。

     学内のカフェテリアでAPU学生と共に昼食を取ったのち、小グループ討論の結果を、2グループに発表してもらいました。

     これらの討議・発表により、執念を持った研究、チームワークによる商品開発、リスクを享受した研究・開発管理等が、独創的な技術・商品の研究・開発に必要であることを理解できました。

  • 4.講演『液晶からみた日本のモノづくり』【講師】中田行彦

     日本の液晶技術が、どのように研究・開発され事業化・産業化へと導かれたかを述べました。また、近年、日本の液晶生産能力は韓国、台湾に負けていますが、その原因である日本、韓国、中国の競争戦略の相違について述べました。そして、最新の液晶テレビを生産しているシャープ亀山工場についても紹介しました。最後に、最新の液晶テレビ市場で、ソニーとシャープは全く異なる競争戦略を取っていることを紹介しました。
     液晶からみて、日本のもモノづくりは素晴らしいけれど、技術の研究・開発と共に競争戦略などの技術経営が必要であることを理解してもらった。

  • 5.フリートーク 「なぜAPUに来たか?」

     クッキータイムのフリートークに、国際学生から「なぜAPUに来たか?」について話してもらった。
     現在、APUは約4800人の全学生中、約40%が約70カ国から来た国際学生であり、多文化・多言語の環境の真の国際大学で勉強しています。

  • 6.世界の生産場所について

     参加者に各家庭の電気製品の生産場所を調べて来てもらい、この調査データを分析し解説しました。
     現在、多くの電気製品が中国等のアジアで生産され、「逆輸入」として日本に入ってきています。日本は、先端技術を用いた電気製品(デジカメ等)の開発・生産で優位性を持っています。
     このように、アジアと住み分け、日本は先端技術の研究・開発・生産に優位性をもったモノづくりをしています

  • 7.終了式

     本日参加してくれた高校生たち33人に「未来博士号」を授与しました。このセミナーが、参加者の知的好奇心を刺激し、心の豊かさと知的創造性を育む契機になってくれればと思い解散しました。

  • 8.評価と今後への期待

     本セミナーの参加者アンケート結果の要約を、表1に示します。
     参加者33人中、11人が「とてもおもしろかった」21人が「おもしろかった」と評価しています。
     また、科学に対する興味について、12人が「非常に興味がわいた」、20人が「少し興味がわいた」と、科学に対する興味を喚起できました。
     科学研究費補助金による研究成果をわかりやすく発信することについて少し改善に余地がありますが、学術の文化的価値及び社会的重要性について示すことができたと考えています。
     また、本企画のもう一つの目的である、我が国の将来を担う児童・生徒を対象として、その知的好奇心を刺激し、心の豊かさと知的創造性を育むことには、大きな成果があったと評価できます。
     この機会を与えていただいた独立行政法人日本学術振興会に感謝します。
     また多くの参加者がまた参加したいと思ってくれており、今後も同様の企画を行っていきたいと思います。

実施の様子_7
表1 本セミナー参加者アンケート結果