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中学生・高校生を対象に、教授・山本晴彦、准教授・荊木康臣、研究員・岩谷 潔、大学院生・学生のティーチング・アシスタントにより、「光と画像で植物を診断する」を実施した。
序章.光と植物(教授・山本晴彦、研究員・岩谷 潔)
太陽からの電磁波について説明し、人間の目で確認できる可視光は限定されること、太陽光がプリズムを通ると、7色に分光されることを実験で確かめた。また、植物色素が吸収できる波長について、説明した。
1-1.気球空撮による植生活性度の診断(教授・山本晴彦、研究員・岩谷 潔)
実施担当代表者らが開発し、特許出願中の気球空撮モニタリングシステムについて説明し、可視・近赤外画像からNDVI(正規化植生指数)画像を算出し、植生活性度の診断を行う手法を体験した。
1-2.植物の水分ストレス診断(教授・山本晴彦、研究員・岩谷 潔)
破壊的な方法で植物葉の水分ポテンシャルを測定するプレッシャーチャンバー法を体験すると同時に、近赤外分光法による非破壊的手法を用いた水分ポテンシャルの推定方法について体験した。
1-3.透過魚眼画像解析による植物の樹体生産力の評価(教授・山本晴彦、研究員・岩谷 潔)
魚眼レンズを装着したデジタルカメラを植物の下部から上向きに撮影した透過画像から、植物の樹体生産力を評価する手法について、その原理と解析方法について体験した。
2.植物の光合成を観る(准教授・荊木康臣)
植物の光合成を理解し、植物の状態を光合成の観点から診る技術に触れることを目的に、1)クロロフィル蛍光を用いて、光の強さが変化すると光利用効率が変わること、2)色を使って植物の状態が判ること(特殊な光学フィルターを使うと、模擬葉と葉が簡単に区別できること)、3)蒸散量の違い(気孔開度の違い)を葉温の差として検出できること、などを体験するとともにその原理を学んだ。また、1)のクロロフィル蛍光を利用した光合成光利用効率の測定実験では、単なるデモ的な体験だけでなく、実験条件(光強度)の変更、クロロフィル蛍光測定と測定値の記録、さらにはパソコンを使った測定結果の解析(グラフ化)といった一連の実験の流れも、実際に体験した。さらに、生活の中で排出されるCO2の量と植物によって吸収されるCO2の量とを比較し、日常の行為により排出されるCO2を吸収するのに必要な植物の被覆面積を計算するなどして、光合成の重要性についての理解を深めた。
最後に、本プログラムに参加した中学生・高校生に対して「未来博士号」の修了証書を手渡し、実りある科学体験プログラムを終了した。参加者のアンケート結果からは、「あらかじめ、研究の内容や説明をパワーポイントファイルでわかりやすく用意して下さったので、良かったです。植物の最新の研究がわかり、興味がわきました。もっと深く学んでみたいと思います。」などの意見が寄せられた。参加した中学生・高校生が最新の植物診断技術を肌で感じることが出来て、さらにサイエンスに興味が沸いたことなど、大変有意義なプログラムであった。
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