お問い合わせ先

独立行政法人 日本学術振興会
研究事業部 研究助成第二課
企画・調整係
〒102-0083
東京都千代田区麹町5-3-1
TEL03-3263-1431
FAX03-3263-1824
MAILhirameki@jsps.go.jp
※各プログラムについてご不明な点は、それぞれの実施機関にお問い合わせください。

ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
   過去のプログラム一覧へ戻る

プログラムの実施の様子

金沢大学

見えない化石を見てみよう!
-地層に残された生命の証拠“バイオマーカー”-

整理番号 HT3050

実施担当代表者

長谷川 卓 (はせがわ たかし)

大学院自然科学研究科・准教授

開催日

平成19年 12月 16日 (日)

開催会場

金沢大学大学院自然科学研究科 環境有機系実験室1

住所:石川県金沢市角間町

関連URL

 http://www.kanazawa-u.ac.jp/university/administration/prstrategy/eacanthus/0712/16b.html 

実施の様子

実施の様子_写真1
 
実施の様子_写真2
 
実施の様子_写真3
 
実施の様子_写真4
 
実施の様子_写真5
 
実施の様子_写真6
 
実施の様子_写真7
 
実施の様子_写真8
 

北陸の冬は雨模様の天候が多い中で,この日だけは早朝から集まってくれた元気な高校生のお陰で,晴れ間ものぞくような天候に恵まれました.朝9時のオリエンテーション開始までに,引率の先生方と高校1年生および2年生の総勢13名の皆さんに参加受付をして頂きました。
1)9時:最初のオリエンテーションでは,当日の予定の概略と本プログラムで体験して頂く有機地球科学の背景や,題材として取り扱う,約1億年前の恐竜時代(実際の研究を行っている)と約百万年前のマンモス時代(当日の実習で用いる試料の時代)の自然環境などに関する説明を行いまいた.
2)9時30分:続いて,今回の実習に用いる「マンモス時代に形成された地層」の試料を採取するため,本学敷地内にある小川へと移動しました.滑る足元を気にしながらもツルハシを手に果敢に地層試料の採取を試みる高校生には満面の笑顔が浮かび,非常に印象的でした.実際に分析に必要な試料の量は10 cc程度ですが,現在生えている植物や,自分の手の脂などの「マンモス時代」のものではない有機物の混入を防ぐために,皆さんには1辺10 cm程度の試料を採取してもらいました。
3)11時:採取した標本は,実験室に持ち帰り,手袋をした後に,岩石カッターを用いて切断し,中心部の外来有機物の混入のない部分だけを取り出しました.初めて使う岩石カッターで実際に作業をした生徒はおそるおそるでしたが,参加者諸君は興味津々の様子で身を乗り出して見守っていました。

取り出された中心部の約10 ccの試料は,同じく手袋をして,乳鉢を用いて粉末化しました.ここまでで午前中の作業は終了となりました.当初の予定では屋外で昼食をとることになっていましたが,朝のうちに見えていた晴れ間も消え,いつしか雨模様の天候になってしまったため,残念ながら屋内で昼食をとることにしました。
4)13時:午後は午前中の野外作業とはうってかわって,今回の実習の題材である有機分子化石“バイオマーカー”に関する,長谷川准教授による講義から始まりました.午前中の疲れもでて,お昼ご飯直後の講義ではみんなうとうとしてしまうかと思いきや,熱心に講義を聴いている姿が,とても印象的でした.講義の途中では引率の先生方や生徒諸君からも質問があるなど,活発に議論することもできました。
5)14時:13時からの講義で分析の背景や目的を参加者に理解してもらい,早速午前中に採取・粉末化した試料の分析を開始しました.ここからは長谷川准教授の指導下にある大学院生諸氏が普段から作業を行っている実験室に移動し,3つの班に分かれて作業を行いました。それぞれの班は,大学院生や博士研究員がグループリーダーとなり,粉末化した試料から有機物を抽出するための準備を行いました。作業中は常に手袋をしているので,慣れない作業にややとまどう場面もありましたが,精密天秤を使った試料の秤量や有機溶媒の注入など,普段から研究室で行われている作業と全く同じ作業を体験してもらいました.
これらの作業の後,ついに午前中に採取した試料(元は石!)から“バイオマーカー”が抽出され,実験室に設置されたガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて,実際の成分の分析が行れました。
さらにこれらの作業と並行して,手法が違っても同じサンプルを扱えば同じ結果を得ることができる,という化学分析の信頼性を理解してもらうために,大学院生が別の手法による作業の実演も行いました。
作業中は,有機溶媒の環境への悪影響や,その悪影響のある物質の実験室外への放出を防ぐ装置についてなど,実験を行う上で気をつけなければならいこと,或いは,守らなければならないことなどに関する注意・説明も随時行われました.
6)16時:これまでの一連の分析で得られた結果を用いて,いよいよお待ちかねのクッキータイムです.まずは今回用いた機械の簡単な原理と機械から出力されるデータの見方などを説明した後に,実際にみんなにデータを読み解く作業をしてもらいました.ここまでくるとみんな立派な研究者で,随時長谷川准教授からの説明を受けながら,クッキーを食べるのも忘れて集中していました。
7)16時45分:1日お疲れ様でした!朝から大学に集合し,野外での試料採取,実験室での作業,データの解読など,一連の作業をこなしたみんなは,未来博士号を取得するときには,心なしか誇らしげでした。