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夏休み後半の暑い日でしたが、中学生・高校生の参加者とアットホームな雰囲気でプログラムは開催されました。 会場は東京理科大学野田キャンパスです。 当日は、「金属ガラスの不思議な性質」について興味関心を持った中学生・高校生を対象にして、東京理科大学・理工学部物理学科・春山修身教授と同じく物理学科・國分淳助教、さらに物理学専攻の大学院生が協力して、午前10時半から午後4時まで講義や実験、研究室見学ツアーを行いました。
午前中は、講義と実験です。 講義は実際に東京理科大学の学生が講義を受けている「講義棟」で行われました。ここは、最新設備を完備した7階建ての大型教育施設で、今回の講義も大学の授業の雰囲気さながらに行われ、参加者は真剣なまなざしで講義を受け、メモをとっていました。
講義の内容は「ランダムな原子配列をした不思議な金属」についてです。 物質は温度によって相(気体、液体、固体)が変わるというような基本的な話しから始まり、金属の液体を急速に冷却してアモルファス構造にするというような専門的な話し、そして、近年では厚みのある金属ガラスという材料が見つかり、その研究成果がゴルフクラブヘッドなど製品となって、私達の日常生活に登場している話しなどが紹介されました。さらに、凝固温度で結晶にならない「過冷却液体」の性質について紹介したところで、参加者1人1人に配付された「エコカイロ」を使って過冷却液体の性質を調べる実験を行いました。
写真はこの講義でのもう一つの実験、「液体チッソ(-196℃)によるエタノールとメタノールの冷却。結晶固体とガラス固体の違いを調べる実験」です。)
午前中は講義と実験で終了しました。 お昼は、学生食堂に移動し、春山教授、國分助教、大学院生の皆でお弁当を食べました。最初は遠慮がちだった中学生・高校生も、お互いに声を掛け合って、夏休みの課題の話しや学校生活のことなどを話して、このプログラムで友達ができていました。 また、普段はなかなか接する機会の少ない、大学の教授や助教の先生にお話しを聞いたり、また、年齢の近い大学院生に大学生活のこと、進路のことなどを聞いたりと、昼食の時間は楽しいひとときとなっていました。
午後は研究室の見学ツアーです。 春山研究室訪問の始まりです。 研究室は、巨大な装置や液体窒素などのタンク、数多くのパソコンが所狭しと配置されていて、研究者の活動の場を見学することができました。 研究室見学ツアーでは、 1. 試料作成 ・Pd、Ni、Cu、Pの合金化 ・液体金属水焼き入れによる金属ガラスの作成 ・液体急冷装置によるリボン状金属ガラスの作成 2. 実験 ・ X線を使って結晶金属と金属ガラスの構造を調べる ・ 熱分析装置により結晶金属と金属ガラスの相の変化を調べる 金属ガラスの低温(液体ヘリウム温度、4.2K)からの電気抵抗変化 の公開実験を大学院生が行いました。実験では、金属ガラスの研究の世界に実際に触れただけでなく、大学院生が大学においてどんな勉強をしているのか、どのようにして研究をしているのか、実験を行っているのか、具体的に見ることができ、特に高校生は進路選択の参考になったのではないでしょうか。
研究室ツアーの後は、また学生食堂に移動してクッキータイムをとりました。クッキータイムは春山教授、國分助教、大学院生と一緒にフリートークを楽しみました。 プログラムの最後、終了式では1人1人に春山教授から「未来博士号」の終了証書が手渡されました。
今回のプログラムは、大学で研究されているような専門的な分野で中学や高校の教科書には出てこない、高度な内容でしたが、参加者は非常に熱心に講義を受けており、学問に対する真剣な姿勢が印象的でした。また、大学という「場」で実際の講義や実験を体験することで、それぞれの参加者の科学的興味を一層喚起することができたのではないかと思います。今回のプログラムは非常に有意義なものとなりました。 夏休みの終盤のお忙しい中、ご参加いただいた中学生・高校生の皆様、ありがとうございました。
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