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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

東京海洋大学

地球にやさしく、人にやさしく。ロジスティクスの挑戦!

整理番号 HT3028

実施担当代表者

鶴田 三郎(つるた さぶろう)

海洋工学部流通情報工学科・教授

開催日

平成 19年 8月 2日(木)

開催会場

東京海洋大学越中島キャンパス

住所:東京都江東区越中島2-1-6

実施の様子

実施の様子_写真1
グループ討論の様子
 
実施の様子_写真2
ゲーム盤を使ったゲームの様子
 
実施の様子_写真3
各チームの検討の様子

 本プログラムには、高校生等から12名、保護者1名の参加申し込みがありました。申し込みがあった場合できるだけ受け付ける方針とし、開催当日受け付けた申し込みをありました。最終的な参加者は9名でした。参加者の中には、香川県、愛知県、静岡県からの人もいました。

(ケースメソッドによる授業)
 午前中は、開講式の後、思考力、説得力を高める授業方式であるケースメソッド方式により、木製パレットを題材にして地球環境について考えてもらいました。課題は「①木を使うことは、地球にやさしいのだろうか?  ②木製パレットの使用は、地球にやさしいのだろうか? ③物流が地球にやさしく、人にやさしくなるために、あなたはどうすれば良いと思いますか?」の三つでした。
 高校生は、ケースメソッドによる授業に慣れていないと考え、最初に授業の進め方の説明を行いました。その後、二つの4-5人の小人数のグループに分かれ、それぞれの課題についてグループ内で意見を発表してもらいました。初めてのメンバーの中で発言しやすい環境を作るため、ケースメソッド授業を受講したことのある年齢の近い大学院生にリードをお願いいたしました。グループによる検討の目的は、課題を理解し、自分の考えを整理するためのものです。
 グループによる検討の後、全員による検討を行いました。参加者に質問を行い、参加者の考えをホワイトボード上で整理しながら、課題についての検討を行いました。ケースメソッドにおいては、参加者の発言、検討への参加度の高さが重要です。今回の授業においては、教員からの質問に対して、全員がとても積極的に意見を述べてくれました。木材の使用を題材にケースメソッド授業を実施しましたが、参加者の発言内容には、つながりや広がり、発想の転換等がありました。考える力をつけるという点でも、意見を述べるという点でも、また「地球にやさしく、人にやさしく」するための提案の内容においても十分に期待した成果を上げることができたと考えています。

 午前の授業では、温室効果ガス(炭酸ガス)の排出を抑えるためには、色々な面から検討する必要があり、排出量を減らするために、物流においてはパレットや包装、そして物流全体について考える必要があることを理解してもらいました。

 お昼休みには、大学院生と一緒に食事をとってもらいました。大学とはどのようなところか等、自由に気安く質問していたようです。

(ロジスティクス・ゲームによる授業)
 午後の授業では、温室効果ガスの排出を減らすためにも、生産地から消費地までの全体を管理することが重要であることを理解してもらうことを目的にロジスティクス・ゲームを実施しました。
 小売り、卸売り、商社、メーカーの4つのチームに分かれ、お互いの間で発注、納品等を行い、在庫費用を最小にしたチームが優勝するというゲームです。
 このゲームでは、小さな変化も、遠く離れたところや、時間がたつと大きな変化となる(ムチ効果)ことがあることを体感してもらいました。各会社ができるだけ自社の情報を秘密にし、入手できた情報だけで判断する場合には、大量の無駄な生産、在庫、物流が発生することを理解してもらえたと思います。
 ゲームを理解しやすく、楽しいものにするために、ゲーム盤、小道具の製作・準備を行いました。また、現実感を増すために、現実の取引・物流で使われる用語を用いました。高校生が高校の授業であまり習っていない分野でしたが、参加者は直ぐにゲーム方法を理解してくれました。もっと理解しやすくするためには、ゲームの状況の説明や用語の説明を、事前に配布した方が良かったと反省もしました。ゲーム中、注文を大きく抱えたり、急激な注文の増加により、発注数の決定に時間のかかるチームが現れました。そして急激な注文の増加が、小売りからメーカーに徐々に、それも大きくなりながら移動して行きました。予定通りムチ効果が発生しました。
 ゲーム終了後、参加者がクッキータイムをとっている間に、各チームのデータのパソコン入力を行い、午後の最後に優勝チームの発表と講評を行いました。在庫費用が最も小さくなったメーカーチームには、ささやかな優勝賞品を授与しました。お客の小さな注文数の変化が、小売り、卸売り、商社、メーカーにおける、注文数や在庫数の大きな変化となることを、身をもって体感してもらうことができたと考えています。温室効果ガスの排出を減らし、地球にやさしくするために、無駄な生産、在庫、物流を減らすためには何が必要かわかってもらえたと思います。
 最後に、参加者全員に「未来博士号」の授与を行い、取り組みを終了しました。
 今回のテーマは「地球にやさしく、人にやさしく。ロジスティクスの挑戦!」でした。「人にやさしく」するために、すなわち人間らしい生活をできるように、また「地球にやさしく」、すなわち将来の人にやさしくするために、ロジスティクスが存在することを、そしてそのために研究していることを、楽しくわかってもらうことが、今回の取り組みのテーマでした。参加者のアンケート結果では、「参加しておもしろかった」、「とてもわかりやすかった」という回答が大半でほっとしました。改善すべき点はありますが、目的がほぼ達成されたと考えています。