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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

東京工業大学

掘らずに探る古墳の中身

整理番号 HT3025

実施担当代表者

亀井 宏行 (かめい ひろゆき)

大学院情報理工学研究科・教授

開催日

平成 19年 11月 4日 (日)

開催会場

東京工業大学百年記念館及び多摩川台公園

住所:(百年記念館)東京都目黒区大岡山2-12-1
(多摩川台公園)東京都大田区田園調布1-63-1

関連URL

 http://www.archaeo.cs.titech.ac.jp/hirameki/index.html 

実施の様子

 今回亀井研究室では、中学生に地下にある考古遺跡を掘らずに探す方法を体験してもらうために、地中レーダ探査の実習を行いました。探査当日は天候にも恵まれ、中学生16人、保護者12人と多くの方にご参加いただきました。

 まず初めに、大学内で今回使用する探査方法と探査場所について知っていただくために、オリエンテーションを行い、その後、実際探査を行う多摩川台公園に移動しました。公園内では、探査をしっかり体験できるように2班に分かれてもらい、それぞれ違うレーダを用いました。

 探査場所には、多摩川台古墳群の一つである第6号墳と宝莱山古墳(ほうらいさんこふん)を選びました。

 第6号墳は、7世紀前半に造られたと考えられている古墳で、両隣りに造られた第5号墳、第7号墳から発見された横穴式石室(よこあなしきせきしつ)がいまだ発見されていないことから選びました。
また宝莱山古墳(ほうらいさんこふん)は、関東地方最古の前方後円墳で、昭和9年の工事で切り取られた後円部から銅鏡や勾玉(まがたま)などの多くの副葬品(ふくそうひん)が見つかっていることから、前方部にも何かあるのではないかということで、探査の対象として選びました。

 探査実習では、ただレーダを使った測定をやってもらうだけでなく、探査を行う範囲の領域設定から行ってもらいました。このように探査の最初の段階から参加してもらうことで、実際の探査状況により近い状態を体験してもらいました。また今回の探査は、通常は立ち入り禁止となっている場所であるため、実施側も含め全員が一般の来園者と区別するためにゼッケンをつけて行いました。

 探査範囲の設定が終わると測定が始まります。1人ずつレーダを用いて測定をしてもらいました。レーダを動かして測定し、その場で地下の様子を見ることができたことで、参加した中学生達も探査により関心をもってくれたようでした。

 最初は慣れない作業に戸惑っていた参加者も、次第に安定した測定ができるようになっていました。また中学生だけでなく、同伴のお父さん、お母さんも積極的に参加してくださいました。さらに、昼食では実施側の大学生と一緒に食事をとることでより和やかな雰囲気ができ、研究や大学生活についての話をするなどして交流を深めることができました。堅苦しすぎることなく楽しんで実習を行ってもらうことができたと思います。

 探査の後は、いよいよ解析です。
参加者にこの探査で測定した結果から何を発見することができるのかということを体験してもらうために、データの解析、検討を行ってもらいました。それぞれが自分の行った探査の結果である地中の断面図をみて、何が見えるのか、大学生の説明をもとに判断します。参加した中学生達は、大学生に質問をしたり、同伴者と相談しながら試行錯誤(しこうさくご)し、自分なりの答えを導きだしていました。

 最後に皆の解析した結果をまとめて、何が見えるのかという検討を、全員で行いました。 今回の探査の結果では、第6号墳においては横穴式石室(よこあなしきせきしつ)が存在する明確な反応は得られませんでしたが、石室が崩落しているような反応を読み取ることができました。また宝莱山古墳(ほうらいさんこふん)では、南北方向に向く埋葬施設らしき反応を確認することができました。
 修了式では、「未来博士号授与式」を行いました。探査を終え、少し誇らしげに賞状をうけとる中学生の姿は、とても印象的でした。
 今回の探査実習では、大学の研究室で行っていることを伝えるということが目的でしたが、私達の研究室ではそれだけでなく、身近な場所にある古墳を対象にすることで、地域に根付く歴史に眼を向けてもらうことができました。また体験してもらった研究内容は、文系、理系の両方にまたがる分野であることから、そのような選択肢もあることを中学生に知ってもらうことができました。
今回の実習は、参加した中学生達の将来の参考にもなることができたと思います。

 

実施の様子_写真1
図2:探査結果の解析をする様子
実施の様子_写真1   実施の様子_写真2
図1:探査の様子   図3:探査結果の検討を熱心に聞く参加者達