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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

久留米大学

身近な放射線~放射線の発見から夢のがん治療まで~

整理番号 HT293

実施担当代表者

井上 浩義(いのうえ ひろよし)

医学部・助教授

開催日

平成 18年 8月 27日(日)

開催会場

久留米大学医学部基礎2号館1階東実習室および附属病院

住所:福岡県久留米市旭町67番地

実施の様子

 本プログラムは、放射線が身近に存在することを知り、放射線の利用によって人類が病気を克服しようとしていることを、先端医療技術の紹介によって認知頂き、更に、放射線利用といった先端技術には利点と欠点があり(価値相反性)、今後、真の豊かさのためには、科学技術理解を基礎とした合意形成能力を付けていくことが重要であることを学んで頂くために実施した。また、その実施にあたっては、中学生に科学的興味の喚起と科学の社会寄与の重要性を意識付けし、社会的情報と科学的情報を獲得する力および科学的事実に基づいて思考する力を養って頂けるように留意した。
 本プログラムは、平成18年8月27日(日)に久留米大学において開催した(写真右が会場)。参加者は、中学生16名、小学生15名、保護者等18名の計49名であり、遠くは長崎県からも参加者を得た。
 本プログラムでは、開始にあたって、本事業の意図、科研費の意義を、パンフレットを用いて解説を行い、その後に、本プログラムの目的と諸注意を説明した。その後、以下の講義、実習、および見学を行った。

  1. 研究者による講演「放射線にできること、できないこと」
     本講義では、放射線の基礎から医学的応用までを久留米大学・医学部・助教授・井上浩義氏に解説頂いた(写真右上)。講義は、放射線の発見の歴史に始まり、放射線には自然放射線と人工放射線があり、自然放射線は身の周りに通常から存在していることを、GM計数管を用いた湯の花、椎茸、大理石、リン肥料などからの放射線の実測、あるいはイメージングプレートを用いた木の葉やアクセサリーからの放射線の放出写真を例示しながら解説がなされた。また、応用編として、放射線の医学利用を診断分野と治療分野に分けて、写真あるいはビデオ画像を多数活用して解説がなされた(写真右下)。特に、本講義では放射線による形態的あるいは機能的画像の例示にとどまらず、計測の原理から身体のしくみまでを総合的に解説された。参加者は一つ一つの画像において、名称、位置、機能を積極的に発表し、さながらクイズ大会のような趣であった。
     本講義の最後には、放射線の医学利用はますます進展しているが、放射線には生物作用という欠点もあり、放射線の利用には利点と欠点を十分に考慮しなければならないことの説明がなされた。
  2. 質疑応答・フリートーク
     本質疑応答・フリートークでは、最初に、参加者から放射線全般に対する質問を頂き、開催者が答える形式をとり、その後、①の講義の中で使用したGM計数管を用いた自然放射線の測定を行いながら参加者と主催者が自由に話をする機会を設けた(写真右)。この自然放射線の測定では、講義の中にあった木の葉やアクセサリーからの放射線を測定すべく、測定器を屋外に持ち出して、植物や石碑(大理石製)を調べる積極的な参加者も見られた。また、放射線防護の質問も飛び出し、急遽、鉛エプロンを持ち込んで、鉛が放射線を通さないことを全員で観察した。
  3. 放射線なぞなぞ
     本コーナーでは、医療放射線ではなく、エネルギーとしての放射線(原子力)、工業利用・農業利用の放射線についてなぞなぞを通して勉強した。
  4. 昼食(研究者たちと昼食)
     主催者側が準備した昼食を、参加者と主催者とが一緒に摂った。この中で、子どもたちの夢を聞くことができ、また、子どもたちは、実際的な興味として、研究者の給料の問題や地位の問題を尋ねてきた。
  5. 空気の中の放射線(簡易型霧箱作成実習)
     本実習では、部屋の中の空気を集塵機で濾紙上に集めて、その中から出てくる放射線を視覚的に観察するための簡易型霧箱を作成した(写真右)。この実習では、エタノールやドライアイスを使用するが、安全に実習を進めることができ、参加者全員が、濾紙から放出される放射線を観察することができた。なお、一部の参加者は、帰宅後も観察を続けており、その報告が後日なされた。
  6. 放射線を使った医療施設見学
     医療放射線施設見学では、CTなどの最先端の医療放射線機器の見学を行った。対象が子どもたちであるので、実際に放射線を出すことはできなかったが、午前中の講義の画像と重ね合わせて、臨場感のある見学となった(写真右)。

最後に、未来博士号の授与式を行い、本プログラムを終了した。