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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

国立大学法人長崎大学

むし歯はどうしてできるか?

整理番号 HT286

実施担当代表者

藤原 卓(ふじわら たく)

医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野 教授

開催日

平成 18年 10月 22日(日)

開催会場

長崎大学医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野

住所:長崎市坂本1丁目7番1号

関連URL

http://www.de.nagasaki-u.ac.jp/
http://www.nagasaki-u.ac.jp/info/infomation/hiramekitokimeki.pdf

実施の様子

 平成18年10月22日に,長崎大学におけるひらめき☆ときめき サイエンス?ようこそ大学の研究室へ?KAKENHIが,医歯薬学総合研究科小児歯科学分野で,開催されました.直前まで,参加者の応募が無く,本当に開催できるかやきもきしましたが,わざわざ大分県から泊まりがけできていただいた高校生や,むし歯治療に長崎大学病院に通院している中学生と小学生の姉妹とそのお母さんなど,最終的には定員の10名を越える13名の参加者が集まりました.スタッフとして,小児歯科学分野の教員に加え,歯学部や医歯薬学総合研究科の大学院の雰囲気に触れてもらえることを期待して,大学院生2名と歯学部の3年生2名に手伝ってもらいました.
 まずスタッフ紹介の後,「唾を1cc出してください」と言われて,参加者の皆さんは目を白黒.これは,唾液の中にいる細菌のDNAを抽出し,PCRを用いてどんな細菌が口の中に住み着いているかを調べる実験のためで,参加者の皆さんが,「むし歯がどうしてできるか」の講義を聴いている間にスタッフがDNAの抽出作業をおこないました.

実施の様子_写真1 実施の様子_写真2

 講義の後,実験室に移動し,最初にむし歯菌であるStreptococcus mutansのスクロース依存性付着の観察を行いました.砂糖をいれた培地で培養したS. mutansが試験管に強力にへばりついていることを,実際に試験管を振ったりして実感してもらいました.またS. mutansが付着した試験管に砂糖やキシリトールなどの糖液を加え,むし歯菌が,糖から歯を溶かす酸を産生するかどうかをpHメーターを使って測定しました.

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 少し早めの昼食後,いよいよ本日のハイライトのPCR実験です.PCRとはpolymerase chain reactionの略で,特定のDNAを短時間に何万倍にも増やす技術です.PCRは生物学分野での革命を起こしたと言っても過言ではありません.最近では,病気の診断や,親子鑑定などにも使われています.スタッフが参加者の皆さんの唾液から抽出したDNAにプライマーや酵素といった試薬を混ぜ合わせます.小さなチューブに,加える液量が数マイクロリッターとほんの微量なので,参加者の皆さんは最初とまどい気味でしたが,次第にピペットマン(試薬を定量吸い出す器具)の扱いにも慣れ,なんとかサーマルサイクラーというPCRを行う器械にセッティングすることができました.

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 PCRが終わればアガロースゲル電気泳動です.アガロースゲルとは寒天のことで,PCRで増幅されたDNAを寒天を用いて,電気をかけて分離し,観察します.寒天に開けられた小さな溝に,PCRの終わった液に色素を加えたものを流し込みます.これもまた細かい作業でしたが,参加者の皆さんは,今度は慣れたもので,スムーズに作業が進みました.電源のスイッチを入れると,色素の色が分かれてゆくのに,驚きの声が上がりました.

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 泳動の待ち時間の間にも,自分の歯垢の顕微鏡観察も行いました.電気泳動が終われば,DNAを染色して,写真に撮って,どの細菌が自分の口の中にいるかを判定して,実験終了です.最後に特別に長崎大学の学長の公印が押された,未来博士の学位記が参加者の皆さん一人一人に手渡されました.

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 予定より,1時間ばかり遅れてしまいましたが,最後に,参加者,スタッフで記念撮影をして終了しました.みなさん本当にお疲れ様でした.

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