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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

奈良女子大学

数学で空間の流れを感じてみよう

整理番号 HT259

実施担当代表者

小林 毅(こばやし つよし)

人間文化研究科・教授

開催日

平成 18年 8月 12日(土)

開催会場

奈良女子大学大学院人間文化研究科

住所:630-8506 奈良市北魚屋西町

実施の様子

 奈良女子大学では2006年8月12日(土)午後1時~5時に奈良女子大学大学院人間文化研究科会議室でひらめき☆ときめきサイエンス「数学で空間の流れを感じてみよう」を開催しました。この企画は高校生の皆さんに、「流れ」をキーワードに、数学の理論が生まれ成長してゆく様子を紹介することによって、最先端の数学の研究の雰囲気や数学が現実の問題とどう関わるのかということを実感してもらうことを目的とするものです。

 当日は暑い中14名の高校生と2名の中高の教員の参加がありました。まず池原健二理学部長からの挨拶、そして本企画の実施代表者の小林教授から日本学術振興会の事業とひらめき☆ときめきサイエンスについての紹介がありました。引き続いて今回の話題の中心である「流れ」についての説明の後、3つのグループに分かれて実験を行いました。1863年に数学者のテイトが物理学者ケルビン卿に見せたという煙のドーナッツの実験を初めとする様々な実験に「これって数学なの?」ととまどう参加者もいましたが皆熱心に見入っていました。休憩の後、流れを数学の対象として取り扱う為の道具(テンプレート)がどのような考えに基いて生まれてきたのか説明を受けてから、紙工作でテンプレートの模型を作りました。出来上がったテンプレートの上に流れを実際に書き込むことによって、一見複雑でとらえどころのない「流れ」がどのように数学的に記述されるのかを実際に確かめてもらいました。今まで見たことのない「数学」に最初はとまどった人もいましたが、各グループについてくれた大学院生の助けでみんなに興味を持ってもらえたようです。引き続き小林教授から1960年のローレンツの発見から現在の結果にいたる「流れ」の研究の発展についての紹介がありました。もちろん高校生には難しい内容でしたが、アンケートには「新しい数学の概念が生まれる瞬間を知ることができました」と言う感想も見られ、数学の研究が進展してゆく様子を多くの参加者に感じ取っていただくことができたのではないかと思います。最後に、このような流れが安定した状態を記述するのに、2次方程式や行列が自然に現れることの説明があり、日頃教科書の上でしか見かけることのない数学が実際の現象を記述するのに利用されていることを知って、びっくりすると同時に感激した参加者もたくさんいました。

池原理学部長の挨拶 煙のドーナッツの実験の様子 紙でテンプレートを作る工作
池原理学部長の挨拶 煙のドーナッツの実験の様子 紙でテンプレートを作る工作

 その後、今回の企画の実施に協力してくれた大学院生から自分達の行っている研究の紹介や実験の準備で苦労したことについての話があり、参加者は大学院での研究生活についてもちょっぴり知ることができました。最後に池原理学部長から参加者に修了証明書(未来博士号)の授与がありました。初めて大学で話しを聞く、という人もいて最初はやや緊張気味だった参加者ですが実際に実験の説明や工作の手伝いをしてもらっているうちにすっかり大学院生や大学の先生とも打ちとけて講座の終わった後もあちこちで大学の勉強や研究についての話を聞いたり、煙のドーナッツの実験を実際に体験したりする姿がみられました。

大学院生の研究紹介 未来博士号の授与 講座終了後実験を体験する参加者
大学院生の研究紹介 未来博士号の授与 講座終了後実験を体験する参加者

 参加した高校生の皆さんが目を輝かせて実験を見たり、説明に聞き入っている姿を見ると、今回の企画を実施して本当に良かったと感じました。今回は初めての試みであるということで準備面などで十分でない部分もありました。特に、日程の設定など、多くの問題点について知ることができました。この経験を生かして来年度以降もこのような先端の研究を中高生に伝えてゆく企画を実施したいと考えています。