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金沢大学工学部では、昨年に引き続き11月3日文化の日にひらめき☆ときめきサイエンスが開催されました。
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| 液体窒素を使った実演を観察する生徒 |
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| 大学の食堂での昼食風景 |
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| ゲルを作成する実験の様子 |
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| 未来博士号の授与 |
副工学部長新宅先生による歓迎のあいさつの後、本事業が科学研究費の成果を一般の人に紹介するものであることが説明されました。次に、中本義章教授から、高分子材料の不思議について実演を交えた講演がありました。化学結合の説明からはじまって高分子とはどんなものか、ゲルとはどんなものかをわかりやすく説明していました。例えば、ガラス転移温度の説明では、形状記憶高分子材料を用いた実演を行い、参加した生徒が実際に高分子材料に触れてガラス転移温度を実感していました。このように実演を交えながらの講演は生徒の関心を引き、科学に対する興味と実験に対するやる気を喚起する大変良い企画であると思われました。
お昼は、大学の食堂で大学の先生と参加した生徒がいっしょに食事を取りました。和やかな雰囲気の中で、高校生からは大学の教育システムや入試に関する質問があり、参加者との交流が見られました。食事をしながら参加した生徒は大学生活の一端を感じることができたと思います。
午後からは、高分子ゲルを実際につくって、その不思議な性質を体験しました。ゲルの中には、物理的ゲルと化学的ゲルがあります。今回の実験では、同じ材料からこれらを作り分けることで、ゲルという物質を理解することを目的としています。
先ず実験を行うにあたり、服装や試薬の取扱いに関する注意がなされました。参加した生徒にはゴーグルやスパーテルなど簡単な実験器具が渡され、いよいよ実験開始です。はじめは、洗濯糊のなかのポリビニルアルコールを塩析させて、物理ゲルを作りました。生徒は、洗濯糊の中に食塩を入れただけでゲルができる様子を、興味深い様子で観察していました。スーパーボールではありませんが実験台の上で弾ませ、ゲルになることで弾むようになることを実感しました。次に、洗濯糊にホウ砂の水溶液を混ぜることで架橋を作らせ、水分を多量に含んだ柔らかい化学的ゲル(一般名スライム)を作りました。ホウ砂の水溶液の量を変えたり、ホウ砂を加えて放置する時間を変えることで、ゲルの状態が変化することを体験し、ゲルの中の架橋反応について理解を促しました。水を加えたり、ホウ砂の水溶液を足すなどして柔らかを調節し、手に取ってゲルの感触を楽しんでいました。
小休憩の後、今度は吸水性ゲルの性質を知る実験をしました。蒸留水と食塩水を使って吸水量のちがいを観察し、ゲルが水を吸う仕組みを考える実験です。蒸留水を含んだゲルはビーカーいっぱいに膨らみ、一方、食塩水を含んだゲルはほとんど吸水しませんでした。吸水したゲルから水を取りだすにはどうしたら良いか考えて、食塩水を膨潤したゲルに入れる提案が生徒からなされました。しかし、食塩水をいれても思ったほど水が回収されません。そこで、うすい塩酸の水溶液を入れてみたところ、吸水したほとんどの水を回収することができました。このような実験から、吸水性ゲルの仕組みについて、水溶液のイオンがポイントであることを理解しました。
このような吸水性ゲルが身の回りのいろいろな用途に使われていることを聞き、薬のカプセルなど新しい用途についても研究がなされていることを知って、生徒が考えも及ばない用途に驚きと興奮が見られました。
実験が終わった後、数人のグループになってゲルに関する課題とひらめき☆ときめきサイエンスに対する感想などをまとめ、発表しました。簡単な操作でゲルができること、吸水性ゲルの吸水能力に驚いたこと、大学の食堂で食べた昼食がおいしかったことなど様々な感想が出てきました。
最後に、中本先生から参加した生徒全員に未来博士号(びっくり科学博士)が渡されました。
後日、引率の先生からお礼状とともに生徒からの 感想文が大学へ送付されました。感想文には科学への興味が強くなったことや大学へ入学して是非研究をしたいことなどが書かれており、本事業の成果が現れたものと考えております。
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