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ひらめき☆ときめき サイエンス

プログラムの実施の様子
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プログラムの実施の様子

日本大学

光ディスクや磁気ディスクの秘密をさぐる
--分解観察体験と未来の光と磁気による情報記録--

整理番号 HT233

実施担当代表者

伊藤 彰義 ( いとう あきよし )

理工学部・教授

開催日

平成 18年 11月 5日(日)

開催会場

日本大学理工学部船橋校舎

住所:千葉県船橋市習志野台7-24-1

関連URL

 http://www.cst.nihon-u.ac.jp/

実施の様子


写真1 会場となった先端材料科学センター


写真2 講演開始直前の様子

 本プログラムは,11月5日(日)に船橋市の日本大学理工学部船橋校舎先端材料科学センターにて開催した.当日の参加者は,71名(高校生66名,中学生1名,保護者2名,一般2名)であった.12時開場であったが,午前中から来場した熱心な高校生もあり主催者としては意を強くした.
 12時から受付開始,12時30分の開始時には全員が揃い,代表者の伊藤教授の挨拶の後,オリエンテーションとして,当日のスケジュール説明,支援大学院生の紹介を行った.
 その後,予定より5分早く12時40分から,「情報記録の重要性-光と磁気を組み合わせた新しい超高密度記録」の講演が行われた.
 記録・記憶の重要性を木簡や石碑を例にとり述べた後,単行本の記録に必要な容量をその字数から推定するのに記号化した場合,画像として扱った会場となった先端材料科学センター場合について述べ,画像や動画像の扱いが増えた状況では,大容量記録への要求はとどまるところを知らず,超高密度記録への挑戦が重要であることを解りやすく述べた.
 その後,光ディスク,光磁気ディスクの原理をアニメーションを利用し易しく丁寧に紹介し,その高密度化における問題点を解説した.高密度化が直面した問題点をどのようにして解決していったかについて,伊藤教授の先の国家プロジェクト「磁区応答3次元記録」の経験を基に平易にどのようにして目的を達成したかを説明した.続いて,現在の高密度記録の中心である磁気ディスク(HDD)の基本原理について,これもアニメーションを駆使し説明し,現在直面している問題点を示した.この解決方法の一つとして,光と磁気を組み合わせたハイブリッド記録の原理とその重要性,発展性について,最近の文部科学省科学研究費の成果を元に解説した.
 13時25分から,質疑応答に移り,高校生から,3次元光磁気ディスクにおける光の干渉のことなど高校生とは思えないほど大変良い質問が出,伊藤教授も丁寧に答え,主催者側一同とても感激した.
 13時40分から会場を1階のアトリウムに移して「ティーブレークと担当教員及び支援大学院生,大学生とのフリートーク」を行った.大学や大学院での実際の活動を直接聞いて大学での研究生活を身近に感じることが出来たようである.
 14時10分から,参加者3ないし4名毎に支援の展性学生あるいは大学院生1名がついて全部で20のテーブルに分かれ各参加者1台ずつ磁気ディスク(HDD)の分解を開始した.その間,5グループ大体12~14名ずつに分け順に,開催場所である「先端材料科学センター」の電子顕微鏡など下記のような最先端の機器を見学した.
・200keV透過型電子顕微鏡,・走査型電子顕微鏡 ・スパッタリング薄膜作製装置,
・光磁気ディスク・磁気ディスク各部の分解展示



写真3 リートーク開始直前


写真4 磁気ディスクの分解に挑戦中


写真5 走査型電子顕微鏡の見学


写真6 磁気記録ディスク装置の
分解ディスプレー

 磁気ディスクの分解は,特殊なドライバが必要であったり,特別な注意を払わないといけない部分が多く,各自色々の工夫をしながら,ときには歓声をあげて楽しんでいた.ヘッド駆動部に使われている永久磁石の強さには殆どの参加者が驚いたようである.永久磁石の間に腕をはさんで,その強さを実感したりまた,磁気ディスク装置の精密さに改めて感激すると同時に磁気ディスクの平坦性と輝く美しさを楽しんでいた.「良く解らなかったメカニズムや製作工程など普段は解らないことについて理解を深められた.」として大変評判が良かったことは主催者の意図が反映したことと本プログラムを実施して良かったと心から感じた.

 最先端装置の見学についても,透過電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の倍率変更やピント合わせ,分解した部品の実観察を参加者に体験してもらったことは,これら最先端の装置への親しみが湧くと同時に科学への興味が増したように思われる.
 「ひらめきときめき」による予算のおかげで, ・「光磁気ディスク・磁気ディスク各部の分解展示」ディスプレイを作製出来たことは,各部の説明とともにその位置関係,メカニズムの詳細などが理解出来ることから大変評判が良く,このプログラムの隠れた長所であることを再確認した.
 このディスプレーは,「先端材料科学センター」に常設し今後の見学者あるいは諸行事に役立てることが出来ることは本プログラムの実施の副産物であり感謝する.
 本プログラムの実施に関する全体的効果は次の通りであり,参加者のみでなく,実施側の大学生,大学院生にも多くの良い結果をもたらせたものでありまことに意義の大きなものとなったことを記し,感謝すると共に,今後もこの様な行事への参加の必要性を強く感じるものである.

 本プログラム実施に関する全体的効果

  1. 参加した生徒諸君の殆どに「科学の面白さ,楽しさ」「研究の面白さ」「ものつくりの大切さ」を身をもって味わってもらうことが出来たと考えられる.
  2. その主因は,
    • 最初に背景となる技術の進展をアニメーションを交えて講義したこと.
    • 続いて,実際のものにふれ,しかも自身で分解したこと.
    • 分解過程で支援の学生,大学院生が適切にアドバイスあるいは質問に答えたこと.
    • 先端的計測・分析装置に実際にふれさせたこと.
      であると考えられる.
  3. また,準備段階から実際の当日の生徒諸君の支援に活躍してくれた学生,大学院生らにも,彼らに直接関係する研究項目を社会に向けて発信することの重要性を身をもって体験してもらえたことは,大きな励みと自信となって還元したこと.この効果は計り知れないほど大きなものと考えられる.

 なお,伊藤教授の講演の最後に,これから参加者らの大半が目指すであろう大学における生活について,「自ら考える人間になること」が最も重要である,との示唆に参加者はそれぞれ思い秘めていたようであることが主催者としてはこの上なく嬉しいことであった.

 16時20分には分解を終了し,参加者それぞれが協力して後かたづけを行い,修了式の準備を行った.16時30分より「未来博士号」を、伊藤教授をはじめ,中川教授,塚本専任講師,金助手で参加者1人1人に簡単な記念品と共に授与した.
 17時10分に,全員の記念写真を撮影し,17時20分に予定より10分遅れではあるが,参加者,主催者側全員の喜びの盛大な拍手の下,本プログラムを1人の怪我も事故もなく無事終了し解散した.


 
写真7 未来博士号授与   写真8 未来博士号を持って全員で記念写真