日本-欧州先端科学セミナー

開催実績

セミナー開催報告
日欧先端科学セミナー「機能的ゲノム学」フォローアップワークショップ


日時: 平成18年3月6日~11日
場所: 神奈川県葉山町 湘南国際村センター
概要: 本事業は同テーマによるセミナー開催から約3年後を目処に、当該分野研究での日欧の若手研究者の研究交流の促進状況を確認し、また国際的指導的研究者による講義や若手参加者による研究発表や相互の討論を通じて、参加者間のネットワークを更に深める機会を提供するために、ESFとJSPSの共催によって開催されたものである。

 「機能的ゲノム学」に関するConferenceは、平成15年10月にスペイン(San Feliu de Guixols)で開催されており、その時と同じく、コーチェアとして東京大学医学研究所の宮野悟教授、Stockholm UniversityのProf. Gunnar von Heijneを迎え、日欧で10名のスピーカー、40名の若手参加者が一同に会した。

平成18年3月6日
 セミナー開催地の神奈川県湘南国際村センターへ日欧の参加者及び講師が到着し、17:00からの参加者説明会では、本会及びESFの役員の紹介、会議場の施設等の説明、ワークショップ開催中のスケジュール詳細を説明し、参加者による自己紹介を行った。また、18:00から参加者全員の顔合わせとなるレセプションを行った。レセプションでは、本会木曽理事、ESFのSenior Science Policy AdvisorのDr. Tony Mayer、日欧両コーチェアからの簡単なあいさつの後、2003年にスペインで開催されたセミナーの参加者及び本ワークショップからの新しい参加者の間で、和やかな雰囲気の中、顔合わせや情報交換が行われた。

平成18年3月7日
 ワークショップのオープニングでは、日欧コーチェアの宮野教授、Prof. Heijneよりゲノム分野での日欧の若手研究者の交流の発展はぜひとも促進していきたいこと、そのために、2003年に開催したセミナー終了後の交流・研究活動の進展を評価する機会として、本事業を最大限に活用したいとのコメントがあった。このオープニングの後、コーチェア司会のもとでセッションが開始された。

平成18年3月8日
 午前中のセッション終了後、鎌倉へのエクスカーションを行った。夕刻には、茶道と書道を地元のボランティアの方々から紹介してもらう文化プログラムの時間を持った。これら企画では、日本文化の体験を通して、日欧両参加者が意欲的に文化に触れ、交流をする姿が見られた。
 同日、夕刻に行われたワークショップディナーでも、参加者各々で交流を行い、和やかな雰囲気の中で参加者及び講師の結束が強くなった。

セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真1   セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真2

平成18年3月9日
 午前、午後、そして夕食後も一日集中的にセッションを行った。

セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真3

平成18年3月10日
 午後のセッションの後、クロージングセッションを行った。ここでは、日欧の研究交流にはどのような問題点が挙げられるか、参加者の内から日欧研究交流の経験談(日本で研究滞在をしたことがある、または日本人研究者を受け入れたことがある等)の紹介や、交流のための経費をどのように獲得できるか(本会の二国間交流事業、外特事業等を紹介)といったトピックでの議論を行った。
 夕刻には湘南国際村内のレストランでフェアウェルパーティーを開き、日欧の若手参加者のプレゼンテーションの中で、最も優秀であった日欧参加者の各1名ずつにコーチェアより表彰が行われた。日本からは峯崎善章研究員(国立遺伝学研究所)、欧州からはDr. Nuria Lopez-Bigas ( Pompu Fabra University)が選ばれた。

セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真4   セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真5

 今回のワークショップでは、通常のセミナーとは異なり、指導的研究者による若手参加者への講義だけではなく、各若手参加者自らがプレゼンテーションを行い、それに続くディスカッションを行ったことで、終始活発な意見が飛び交った。
 また、前回スペインで行われたセミナーでは欧州側参加者であったが、その後日本側機関の研究員となり、今回日本側参加者として参加している研究者がいるなど、セミナー後の日欧交流発展の成果も見られた。クロージングセッションでは日欧の交流発展の課題についても議論を行い、JSPSやESFの研究費等を利用して今後更に交流を活発化させていく旨、参加者全員で確認しあった。
 参加者からは、「既にヨーロッパ側の研究者とコンタクトを取り始め、今後の研究交流を具体的に決めるきっかけになった。」「このフォローアップワークショップに留まらず、今後もこのような『機能的ゲノム学』分野に関する研究交流の場を設けてほしい。」というような感想や要望が寄せられた。

セミナー開催報告「機能的ゲノム学」_写真6