日本-欧州先端科学セミナー

開催実績

日本側参加者による参加報告書(抜粋)

石田 裕昭(近畿大学・大学院医学研究科生理学第一講座・大学院生)

プログラム、セミナー運営全般について
イタリア南部のMarateaでのセミナー開催により日本から片道二日の旅程だったが、二日目はホテルで比較的ゆっくり過ごせ、その後のセミナーのために体調を整えることができた。プログラムや演題はマカクザル脳の神経機序から人の言語や模倣などの高次な社会的認知まで、最終日の甘利先生のお話にあったように、「ミクロからマクロ」までの視点を網羅していた。
ホテルの施設、食事、スタッフの対応などのいずれもすばらしく満足できた。またESFの企画による周遊では、日本では味わえない伝統料理を堪能する貴重な機会を得ることができた。


今回のセミナー参加により、今後欧州との研究交流を進める展望が持てた場合には、その予定について
私は今春からパルマ大学医学部のProf.Rizzolattiの教室で研究をする予定である。本セミナーで、欧州全域から集まった近接異研究領域の参加者に自己紹介ができ、今後の欧州での研究を円滑に行うのに絶好の人的交流の機会を頂いた。特に、私たちの研究はGergely教授やBekkering教授、Knoblich教授から高い評価を頂いた。私たちがサル脳で発見したニューロンは、人が模倣学習を行う際に不可欠な情報処理である「自他身体の対応問題」に対する神経基盤になると考えられる。ポスターでも彼らの研究室の若手研究者の皆様から貴重なご意見を頂いた。今後は、この点について認知心理分野の若手研究者と積極的な意見交換を行いたい。


本セミナーへの今後の要望等
目的地までの旅程は短いことが日欧双方にとって望ましいと思う。