日本-欧州先端科学セミナー

開催実績

日本側参加者による参加報告書(抜粋)

平井 真洋(自然科学研究機構生理学研究所・感覚運動調節部門・日本学術振興会特別研究員)

プログラム、セミナー運営全般について
今回のセミナーは、社会認知神経科学という近年注目されているホットな研究分野の一つであり、演者の先生方も人文科学から自然科学までの複数の領域にまたがる多彩な顔ぶれであった。「社会認知神経科学」という複合領域ゆえ、講演の内容も霊長類の行動実験による報告から脳イメージング技術を使ったヒトの認知機構に関する内容とバラエティに富み、非常に示唆的な講演が多かった。
今回のセミナーで最も有意義であったのは、通常の学会では顔を合わせることの無い領域の研究者(若手から大御所の先生方まで!)が一同に介し、それぞれの専門の立場からコメントをざっくばらんに交換できた点であろう。現在ではお互いの研究分野が細分化しているため、(私自身)例えば同じ認知神経科学の研究者同士であってもなかなかお互いの研究を理解することが難しい。しかしながら今回のセミナーでは、特にポスター発表の時間やコーヒーブレイクの時間にお互いがフランクに研究についての議論を出来たことは私にとって最大の収穫であった。また、欧州の一流の先生方と直接議論させていただいたことは自分自身の研究を進めていく上で貴重な財産となった。全体的にセミナーは良くまとめられており、集中して講演を拝聴することができた。個人的には様々な先生方とお話をさせていただきたかったので、コーヒーブレイク・ポスターセッションの時間がもう少し長いと良かったのではないかと感じた。


今回のセミナー参加により、今後欧州との研究交流を進める展望が持てた場合には、その予定について
今回のセミナーではJoint Actionで高名なKnoblich博士と自分の研究について議論する機会を得ることができ、自分自身の研究を進めていく上で示唆に富んだコメントを頂戴することができた。また、他の欧州からみえた若手の研究者と研究について議論できたことは非常に有意義であった。残念ながら現時点では、直接研究交流を進めていくまでの深い議論はできなかったが、今後の研究では先方と協力して研究を進めていく機会が訪れるかもしれないと考えている。


本セミナーへの今後の要望等
今回のセミナーは非常に有意義なものであったと感じています。日本・欧州にも社会認知神経科学で高名な先生方がまだまだ多数いらっしゃるので、もし可能であればその先生方を招いて第二弾、三弾と進めて頂けると大変幸いです。