安西祐一郎 理事長
平成23年10月1日就任
この度、小野元之前理事長の後任として日本学術振興会の理事長を拝命いたしました。 昭和7年の本会創設以来、80年間にわたり先達が築き上げてきた実績を大切にし、国民の皆様からの信頼とご支援をいただきながら、我が国の学術研究の振興と人材の育成に全力を尽くしてまいります。
本年3月11日に起こった東日本大震災は、未曾有の大災害として我が国に甚大な被害をもたらしました。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、被災地の速やかな復旧・復興をお祈りいたします。今般の大震災は、自然科学、人文・社会科学、医学、工学等を問わず、自然の猛威に対する学術の意味を我々に見せつけました。この貴重な教訓から多くのことを学び取り、新たな時代のために学術研究と人材育成を前に進めていくことが、今、我々の責務であると考えます。
一方、我が国は、少子高齢化や長引く経済の停滞など、多くの深刻な課題を抱えています。世界に目を転ずれば、アジアの国々をはじめとする新興国が力をつけ、世界的な競争が激しさを増しています。また、多くの人類的課題の解決に、長期的な視野をもって我が国が貢献していくことが求められています。こうしたなかで、我が国の国民生活の向上と社会経済の発展の土台となる「知」を創造するものとして、学術研究の振興とそれを担う人材の育成がますます重要となっています。
本会は、我が国の学術振興の中核を担う機関として、科学研究費助成事業などの学術研究への助成や、特別研究員事業などの若手研究者養成を、研究者の自主性と研究の多様性を尊重しながら実施しています。また、世界に張り巡らされた学術関係機関ネットワークの主要な一員として、学術に関する国際交流の促進を積極的に行っています。さらに近年は、本年度から開始した「博士課程リーディングプログラム」をはじめ、大学改革を支援する事業も実施しており、学術研究の振興と人材育成のための活動を幅広く行う機関として発展を続けています。
私は、本会の諸事業を効率的、効果的に実施しつつさらに充実・発展させることにより、あらゆる分野の研究者や学術研究を志す人々はもとより、国民各位からの学術振興への期待に応え、これからの時代にきわめて重要となる「知」の力をもって我が国が世界への貢献を果たせるよう、努めてまいります。
今後とも本会に対する皆様のご指導、ご支援、ご協力をお願い申し上げます。
平成23年10月